koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

7/19 宇部未来フェスタ臨時開院

2014-07-21 | おもちゃ

今日は、宇部おもちゃ病院が例年参加している、常盤公園で開催される「未来フェスタ」での出張開院でした。
去年は湖水ホールでしたが、今年はレストハウスでの開院でした。

1件目は、ピノチオ製、アンパンマンのお風呂で遊ぶおもちゃです。
20140720_pump
ポンプが付いてて、お風呂に浮かべて、シャワーが出たりするおもちゃですね。
「全く動かない」との事。堪忍したところ電池はOKそうですが、実は、説明聞かなかったので、スイッチの位置も分かりません...しかたないので、分解します。
20140720_pump1
上側全部外して、シャワー・蛇口切り替え等の配管部分まで外したところです。
スイッチは、上の写真左端、オルタネートの様ですが、防水のためケースに入ってます。押した感じでは、オルタネートちゃんと働いてるようです。
ヒューズが入ってます。確認しようとしましたが、各部接着剤等でコーティングしてあって、当たりにくいです。
電源線が繋がってるところにモーターがあるものと思っていましたが、モーターはここからさらに線を延ばして、ホースの先端、一番下についてるんですね。水中モーターなんですね。(これなら呼び水を考えなくていいので、便利・確実ですね。)

ここの電極に、電池を直接繋ぐと、「チッ」と小さな火花が散るけど、モーター回りません。導通はあります。短絡状態でしょうか...?
水中ポンプ部分は、ぱっと見、分解できそうになかったので、困って院長に相談したら、「手回し」と言われたので、
そうそうさっき、水中ポンプのインペラーを、確認のため細いものでつついて手回ししたので、再度電池を直結してみたら、今度は回りました。
つまり、いつもの「モーター渋り」の状態だったんですね。

これで、普通に電池入れて、問題なく動くのを確認して、全部仕戻しして終了です。

2件目は、ベネッセ:しまじろうのひらがな練習用の様なキーボードです。
20140720_benesse
電池を替えたら、全くつかなくなった、との事。
「電源ON」が、導電ゴムSWの様なので、その辺りを疑って、とりあえず分解。

電源ONのゴムSWは、金物使って導通させても、電源入りません。
電池は新品ですが、裏から電圧確認する事に。
電池BOXは、不思議なことに、(+・-)(-・+)と入れるようになっていて、中で配線で直列にしていました。
基板に行ってる赤線と黒線の付け根で電圧確認するも、3V確認できません。
隙間からテスター棒突っ込んで、電池1個ずつ確認しても、何か良く分かりません...
困って、電池を替えてみることにしました。おもちゃ病院備品のテスト用電池を入れてみたら、一発で電源入りました。

...謎です。元の電池はPanasonicのEVOLTAの新品ですが、それを使うと、右側の電池ボックスのみ、ちゃんと接触してないようです。
2個のうちの1個が悪い、という訳でもなく、どちらも左側のボックスなら使えますが、どちらも右側に入れると動きません。他の電池なら、多少減ってても、ちゃんと動きます...

電池ボックスのマイナス:スプリング側は、カバーが被ってて、電池を入れた状態だと見れないので、接触状態がどうなのか分からないのですが、ともかく、EVOLTA以外ならだいじょうぶ。

ほんのちょっとの形(太さとか)で、電池と電池BOXの相性が悪いんだろうとしか思えません。依頼者さんにはその旨説明して、返却しました。


今日は、例年このイベントは来院者多いと言う事で、ドクター11名のほぼフル体制で、来院は16件でした。

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7/13 おもちゃ修理(1件)

2014-07-19 | おもちゃ

「おしゃべりフクロウ」、といったおもちゃです。
(表に「Talking Owl」と書いてありますので、勝手に訳しました。)
20140713_owl
音が出る。それは問題ないのだけど、左羽根が取れてしまった、との事。
(写真は、修理途中、関節部分を取り付けて接着剤乾き待ちの状態での写真です。)

中々かわいい子です。
しゃべりかけてあげると、ボイスレコーダーになってて、羽根をパタパタしながらオウム返しに再生するのですが、わざとちょっと高く、ちょっと早口で2回返してくる作りのようです。
文字にすると全然伝わりませんが、「ちょ~~ウケるんですけど。」→「チョーウケルンデスケド、チョーウケルンデスケド」、ってな感じ?
結構おもしろいです。ちょっと作ってみたくなります。

これがなかなか、大手術でした。
撮りにくかったので写真無しなのですが、明確に割れてるふうでもない。
少なくとも、軸がなくなってる。(落ちてなくしたか、もしくは中でスピーカーやモーターの磁石に捕まってるのかも知れない。)

ぬいぐるみの隙間からのぞいても、どこから手をつけていいのかわからないので、一部脱がすことにしました。
それも、どこからスタートかさっぱり分からず、首の後ろの辺りから、左肩までミシン縫い部をほどいて、接着剤を剥がしながら肩周辺をめくってみました。

どうも、肩の軸は、アームに差し込んだ後、受け側に押し付けただけで、それをホットボンドで固定しただけ、という適当な作りだった様に思われます。
全部分解して中から補修すれば簡単ですが、ぬいぐるみを全部はがして外骨格を分解するのは、かなり時間がかかりそう...何とか外からだけで補修できないかと、相当苦労しました。

写真も取りづらい、字でも分かりにくくて申し訳ありませんが、アームに予め軸を差した状態で中に組み込める様に、外骨格に15mmL×3mmWぐらいの切込みを入れて、軸を正規の位置に取り込んでから、その軸を外から番線で引っ張って固定する、という作戦にしましたが、何かと困難で、まるっと2時間ぐらい掛かってしまいました。

なんとか、全く違和感無くパタパタするように直せました。
ちょっと、再発しないか不安ですが、もし再発したら、今度は全バラで中からもっときれいに直したいなぁ...

ところで、わたくし、2012年9月におもちゃドクター開始してから、今2年弱ですが、
このおしゃべりフクロウで、通算100個目の修理対応でした!

詳細は、右下の「ウェブページ」の所の一覧を見て頂きたいですが、
現在戦績「89勝-8敗-3引き分け」です。(7/19時点ではまだ一覧表のアップできてません。しばしお待ちを。)

振り返ってみると、今思えば直せた様に思えるものもありますが、なかなかの勝率。
また、サラリーマンのままでの兼業ドクターで、山口という片田舎で、ほとんど病院での受付のみで、「2年弱で100件→毎月平均4.5件」は、かなりがんばってると言えるんじゃないでしょうか?

臨時・出張開院にも積極的に参加して、経験値アップに努めて来ましたが、ますます精進してがんばっていきたいと思います!

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7/12 宇部定期開院

2014-07-19 | おもちゃ

いつもの宇部定期開院です。
(あっという間に直したのに、アップ遅れてすみません...)

1件目は、先月修理したばかりのTDR(TokyoDisneyResort)のモノレールです。
20140712_monorail
先月は「スイッチの入りが悪い」との事でしたが、今回は「カーブに差し掛かると止まってしまう(床においた状態でも、曲げるとモーター停止する)」との事。多分断線と思われます。

2両目と3両目の間で断線気味のようなので、取り替えるだけなのですが、これがなかなかめんどくさい...
駆動用の電池が1両目と3両目、モーターは2両目。音用のボタン電池が2両目、音出す回路・スピーカーが1両目。といった具合に分かれており、断線は1両目~3両目間の電源線でしたが、全車両分解しないと取替えできないんですね。

ということで、修理内容は単純ですが、だいぶ時間掛かっ てしまいました。

2件目は、「目覚まし電車」(?)。3台中2台(赤とオレンジ)が動かないとの事。
20140712_bus
「スイッチを入れると音が鳴りながら走って、机の上から落ちないように走る」との事ですが、裏のスイッチが3ポジションで、「OFF-ON-DEMO」となってます。
よくよく聞いてみると、時計が付いてて、アラームで動き始めるらしい。
はぁぁん、理解しました。逃げ回って止めにくい目覚まし時計、みたいなヤツですね。

正常に動く緑ので確認しましたが、確かに机から落ちないように向きを変えながら走ります。
裏見てもセンサーなど無く、「何故に~?」と思いましたが、メインの車輪よりほんの少し浮かせた所に、横向きで一方方向に回転し続ける「向き変え用の車輪」があって、前輪が落ちると、左に頭を振るようになっている、ごく単純なつくりでした。

赤もオレンジも「電池のフタに付いてた電池電極板がなくなってしまったので、そっくりに作った」との事でした。
その電池のフタの部分です。
20140712_bus2
形としては、バッチリに作ってあります。
これは、きっと僕が作るよりも、正確にキレイに作ってあります。
持って来られたお母さん曰く、「こういった工作は好きだし得意です。」との事。是非おもちゃドクターになって、その才能を子ども達のために役立ててほしいですね~。

(遅めの時間に来られたので時間が無く、ここから先は入院で、家での作業です。)
さておき、この電極板が、この先でどうつながってるのか、つながってないのか、開けてみないとよくわからないので、開けてみます。
20140712_bus1
車体側面の時計部分と、下側の音部分及び時計のセット用のボタン部分とで、結構線がたくさんあります。
フタの電極板を差し込むと、その下の金具と接触して、プラスが中側に伝わるのですが、テスターで当たっても、中側まで電圧が来てません...
どこが原因で電気が来ないのか、しばらく悩みました...

依頼者さんが作ってきた電極板ですが、一見金属光沢なのですが、黄色っぽい色のコーティングがうす~くかけてある様ですね。テスター棒で強めに押さえて測ると導通あるのですが、電池との導通が取れてなかったようです。
(多分缶詰のブリキ板で、食品に鉄風味が移ったりしないように、コーティングしてあるのでしょう。)
電池と当たるところだけ、ドライバーでコーティング削ったら、ちゃんと中側まで電圧来るになりました。
赤の1台は、電池プラスからの赤線が根元で切れてたので、復旧。

それと、赤・オレンジ共に、向き変え用の車輪のゴムが外れて、噛み込んでました。
なかなかちゃんとはめにくく、外そうかと試みたのですが、なかなか困難そうで、結局つけたまま、裏・表両方からグニュグニュ押して修正しました。

この向き変え車輪は、床面よりほんのちょっとだけ離してあるだけなので、子どもがミニカーで遊ぶ様に手でグイグイ押すと、また外れてしまうと思われます。
寝ぼけてても、あまり力を掛けないようにしてほしいですね。

もう1件、同じ人がもって来られた、プラレールの新幹線です。
20140712_pularail
これは楽勝でした。
通称「モーター渋り」と呼んでますが、しばらく使ってないと、軸受け部が硬くなって回転が悪くなったり、整流子-ブラシに酸化皮膜ができて電気が流れなくなったりする状態で、一旦ギアボックス外して、電池直結して、手でちょっとギアをつついてやったら、すぐ回るようになりました。

今日は始め、誰も来なそ~な雰囲気だったのですが、そこそこ忙しかったです。

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6/29 鵜の島バザー出張開院

2014-07-12 | おもちゃ

6/29は、鵜の島の婦人会に呼ばれて、鵜の島ふれあいセンターでのバザーで出張開院でした。

対応は1個、いつもの「歩いて鳴く犬のぬいぐるみ」です。
20140629_dog
この子は、同じ子が3個目ですね。
とりあえず電池を確認すると、すっかりゼロ。新しい電池を入れてみたら、動きました。
が、ちょっとしたら「ガキガキッ」と不吉な音がして、ロックして動かなくなってしまいました。
(また、ちょっとしか動かなかったけど、鳴き笛が鳴らなかった気もする...)
しかたないので、脱がします。

いつもの通り、しっぽが邪魔で脱がせられないので、しっぽを切開して、カシメを削って、一旦しっぽを外してから、ぬいぐるみを脱がせます。

う~ん...よ~~~く見ると、あちこち折れてます。3箇所骨折です。高いところから落としたりしたのでしょうか。
①頭(鳴き笛)を動かすためのバー
②後ろ足のポジションを変える為のバーの支点
③首と頭蓋骨の接続部

まず、①「頭(鳴き笛)を動かすためのバー」ですが、パッキリ折れてます。繋ぐにはかなり細い部品です...
20140629_dog1
これは、繋ぐのはあきらめて、下の軸取り付け部分をアルミ板で作って、上の方と貼り付ける事にしました。(すみません、補修後の写真撮り忘れました。)

苦労してアルミ板削り出して、3cmくらいの部品作って、裏側に貼り付け。Φ0.55mmのSUS番線でくくった上、エポキシで固めました。
さて、組んで動かしてみると...足を動かすクランクが引っかかって、ちゃんと動きません...
上の写真、補強がカーブの外側だけに取ってあって、カーブの内側が薄く作ってるのには、意味があるんですね...
エポキシをカッターで削ったり、番線もヤスリで削ったりして、まだちょっとせるけど、何とか回るようになりました。

次は②「後ろ足のポジションを変える為のバーの支点」です。
補修後写真ですが、こんな場所。(真ん中らへんの黒い突起部分。)
20140629_dog2
ここに本来、4mmの軸が出てたのですが、中割・爪付きで、リンクの穴にはめてあったものが、中割の付け根で折れてしまって、再生しようがありません。
何かΦ4mmの物を探したところ、以前に買ったDMMのテスト棒の保護キャップがちょうど4mmで、切って使いました。ちょうど中空で、プラモデルの端材で丁度いい径の部分を使って、母材の方に穴あけて、突っ込みました。
そこそこの強度で復活できたと思います。

最後は③「首と頭蓋骨の接続部」です。
20140629_dog3
ここは付いてなくても一応機能しますが、鳴き笛が鳴る時に、顔が動かないという不具合になるので、一応つけることにしました。
本来は、頭蓋を真ん中で2分割して、挟み込んでるのですが、そこを付けただけじゃ多分強度が出ないと思うので、頭蓋を分割せずに、この状態でエポキシでくっ付けて盛って固定しました。

さてさて、苦労の末、3箇所全部直して、ぬいぐるみをかぶせる前に試運転、ぼちぼち良さそう。
でもって、まず足を被せてると、「パコッ」と左前足が前に倒れてしまいました。
「何故に~、こんなものかしら?」と思ったのですが、も1回試運転してみると、やはりちゃんと歩けません...しかたがないので、せっかく組んだ骨格を再度分解。
にゃんと、前足の位置決め支点になってるクランクを取り付けてる軸が折れてます。トホホ...
20140629_dog4
これは困難っす。とりあえず、以前「ばらしたくないなぁ」と思った、駆動部分解です。
20140629_dog5
ちょっと分かりにくいですが、一番左上のギアの端っこが折れてます。
小さいし、どうしたものかとだいぶ悩みましたが、中空なので、前述のプラモデルの端材を、リューターでくわえて丁度いい太さに削って、差し込み。折れた先端側は、上からネジ止めで、棒の突っ込み代が全然無いので、ネジの方を2mmぐらい削って、何とか突っ込み代を確保。

瞬間接着剤を塗って、軸突っ込んで、割れた部分を接着。
この後、何かして補強しようと悩んだんですが、いい補強が思いつかず、これで何とかもつことを期待して、補強無しとしました。

試運転したところ、ぼちぼちちゃんと動きましたが、最後に補修した軸端は、強度が大変不安です...これ以上は試運転すらしたくない感じです。
次からは、落とさないように。また、極力動きを拘束しないようにしてあげて欲しいです。

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