koheiのおもちゃ修理記録

宇部おもちゃ病院 毎月第2土曜日 13:00~16:00
宇部新天町の西の端、市民活動センターで開院してます。

7/8 宇部定期開院

2017-07-30 | おもちゃ
7月度の宇部おもちゃ病院定期開院です。
めっちゃ忙しい日でした。

1件目、チャギントン。(だそうです。)

電池端子のサビだけで、リューターで磨いて終了。

2件目、アンパンマンのお風呂シャワー

こやつは、中がいろいろ防水構造になってて、やっかいなヤツ…。
しかし、下だけはぐってポンプ羽根をつついていたら、回る様になりました。モーター渋りだった様です。

3件目、KOMATSUのパワーショベルです。

会場にて他の修理をしてたら、別のドクターから「どこからバラすの?」と聞かれました。
過去3回ほど見てるので余裕~。しかし、操作レバーが不良との事。操作レバーに辿り着くの、大変なのよね…。
ばっらばらにして、ようやく操作レバーのSW部までたどり着くと、不良のレバー、支点の軸部分が折れてしまってます。大変そうなので、入院にしました。

ばっらばらにした部品は、全部並べるとこんな感じ。

SWは、折れた破片がきれいに残ってたので、瞬間接着剤で仮固定後、邪魔にならない内側部分をエポキシで盛り盛り補強しました。
取り付けてみると、SW板がちゃんと当たらなかったので、ラジペンで曲げて微調整。
動作確認して、全体組み戻して終了。

4件目、仮面ライダーウィザードの…、武器みたいなおもちゃです。

液漏れで、電池端子が相当ボロボロ。磨いてはみたものの、磨いただけでは復旧せず。
ネジも多くてかなり複雑でしたが、分解してみました。

大変です。中まで液漏れが伝って、全く関係ないところまで電解液が回り込んでベショベショ。電源線以外も、相当腐食してます…。
「これは大変そう…。一応預かってみますが、無理かも…」と言って、入院。

腐った配線・端子は無視して、基板に直接4.5V掛けてみるも、全く反応なし…。
基板は、手前に1つと、その下にもう1枚あります。
しばし見ていると、上の基板から下の基板へ「3.3V」と書いてある線が行ってます。ここの電圧を当たってみると、1.5Vぐらいしかない。これじゃあ動きませんで~。

当然、表面実装の3端子レギュレータがついてます。まず、入り口側の電解コンデンサを外してみる→変わらず。電解コンデンサも悪くない。
次に、出口側の表面実装のコンデンサを取り外し→ちゃんと3.3V出て、音が出た!
という事で、容量不明ですが、3端子レギュレータ出力側のコンデンサの不良だった様です。
(本来は0.1μFぐらいをつけるべきでしょうが、無くてもとりあえず動くようなので、外したままにしました。)

操作や動きを検出するリミットが何個か付いてますが、線がボロボロなので、何本も引き換えつつ動作確認していくと、表の黒い「手」の部分を開いた時に検出するためのSWが動作しません…。
これは、いわゆる「ディテクタSW」といった商品名のSWですが、今までどうも、どこ探しても入手できない…。
どうしようか…、板SWを手作りするか…とか思いつつ、とりあえず、バラしてみる事にした。

精密ドライバで爪をこじ開けて分解してみると、こんなところまで電解液がしみ込んで、電極がモゲてました…。
どうしたものかだいぶ悩みましたが、幅0.3mm×長さ3mmぐらいの折れた電極を、「この辺についてたら動作するかな?」という適当な所にハンダ付けしてみる事にしました。
超ミニミニな作業でしたが、なんとか思ったところにハンダ付けでき、組み戻したら、なんとかギリギリ作動するようになりました。
かなり無理して熱も掛かったので、動きが悪くて、突起がちゃんと戻らないのですが、まあなんとか、OFF-ON検出するようで、これでヨシとさせてもらいました。(手を開いても、時々検知ミスが出る。)

最後に、「これはもうダメだろう…」という電池端子を2か所、予備品に取り替え。複雑~な格部品を、考え考えしながら組み戻して終了です。

以前に、ウィザードの変身ベルトの修理をしましたね。この「武器」も似たような作りで、手の部分に誘導コイルがついてる様で、多分、付属の「指輪」をかざすと、指輪の種類に応じた必殺技が起動すると思われます。
今回は、指輪の話は聞いてないし預からなかったので、「必殺技待機」の状態までで、必殺技の起動の確認はできませんでしたが、その旨説明して返却しました。

5件目、DS Liteです。

「電源が入らない」との事。電源SWがスカスカになってます。
これは、バネ入りスライドSWの突起部の折損と思われます。

久々にDS Lite分解しました。すっかり忘れてました。特殊な「Y型ドライバ」がないと分解できないんですね~。工具箱の中探して、久々にY型ドライバ登場。
分解してみると、案の定、スライドSWの突起部折損。どうしようか、しばし考えましたが、突起再生の方向でやってみる事に。
SW機構を止めてある金物をハンダ溶かして外すと、スライド部が外れます。
この3mm×6mmぐらいのスライド部に、精密やすりで1.5mm幅ぐらいの溝を0.5mm程掘る。そこに、1.5mm幅×2mmぐらいに削って調整したプラスチック片を、瞬間接着剤ではめ込み固定。
何とか突起部再生して、動かせるようになりました。

仮組して動作確認すると、よくある事ですが、方向キーの「下」が全く作動しないので、基板外して基板側清掃と、ゴム側にいつものアルミ箔貼り付けを実施しました。

さて最後、6件目。陽気にダンスする「サンタのご夫婦」の人形です。

おばあさんの方はちゃんと動くけど、おじいさんの方の動きが止まってしまう、という話。
服は、お腹の所が接着剤で止めてあった以外は、めくれば中が見れました。
関節のロッドを止めてるリングを外して、ロッドを抜いて、中を確認。

ゴムベルト駆動ですね。(写真は外した状態ですけど。)
特に悪い所が見つからない。ベルトもまだそんなに傷んでない様子…。
組み戻して動作確認すると、やっぱり時々引っかかって止まってしまう。
ゴムベルトをアルコール洗浄してみたり、クランクの摺動部に給脂してみたり、何度もばらしたり組んだりしたけど、どうも調子が悪い…。

「もう1回ちゃんと考えよう」と、写真の下半身のみの状態で起動させて、ちょっと抵抗を掛けてみると、ベルトも滑らず、従動側のプーリーもちゃんと回転してるのに、下が駆動しない状態が発生!これは、ギアの割れに違いない!

という事で、膝のあたりの関節のロッドも外して、ギアBOXを分解。

やっぱりギアの割れでした。写真じゃわかりにくいですが、10Tピニオンを取り替えました。

この8月度の定期開院、来院者多くて、大変忙しかったです。
6月・7月と、2か月連続で2件ずつしか来院無かったので、「8月も見込み薄かも…。めっちゃ暑いし…」と思っていましたが、受付全部で18件もありました。
最近、各地のふれあいセンターに「おもちゃ病院ドクター・スタッフ募集」のポスターを貼らせてもらってるので、その宣伝効果かもしれません。(本来はドクター・スタッフ募集の趣旨ですが、「毎月第2土曜日にやってるのね?!」と、宣伝にもなってるのかも?)
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6/25 まちなかエコ出張開院

2017-07-30 | おもちゃ
この日は、毎度恒例の「まちなかエコ市場」、子ども用品リユースでの出張開院です。

1件目、補助便座についていた音の出る物…です。

以前にも診た事ありますね。
電池端子のサビを取っても、まだ鳴らず。分解してみると、線がかなり腐食して、切れたりしていました。ハンダが乗らない線2本ほど取り替えて復旧。
導電ゴムSWと基板もかなり傷んでました。基板はアルコールでゴシゴシして何とか動作。ゴム側はいつものアルミ箔貼り付けとしました。

2件目、かなり大きなトーマスのおもちゃです。

どうやら、プラレールのレールの一部として使う物の様です。胴体部分がトンネルになってます。
「音は鳴るけど、LEDが光らない、車輪が回転しない」との事。
結構複雑でしたが、分解してみる。モーター駆動回路の不良かしら?でも、LEDも付かないのは何故…?と、どこからつついてみるか悩みましたが、結論は電池の電圧不足でした…。
分解無駄でした。電池容量の確認は、やっぱり一番最初にしないといけませんね…。

3件目以降、主に入院で対応です。「ジュウオウホエール」との事です。

バンダイの戦隊ヒーロー関係のおもちゃですね。ネットで調べたところ、「動物戦隊ジュウオウジャー 変身銃 DXホエールチェンジガン 」の様です。
写真は作業途中ですが、赤のアームがついた黄色の部分が、全く開かなくて、変形ができない、との事。

現地で悩みましたが、よく分からず。入院で後日再チャレンジしましたが…。
黄色の部分が2つに開くところの蝶番構造の部分、開かないと解けないネジがあって、どうにも分解できないのですが、分解しかけた状態でなんとか開いたので分解。しかし、肝心の蝶番のシャフトの部分がどうしても分解できない…。
ちょうど関節の部分、外から見ると若干亀裂が入ってますが、どうも、蝶番の部分に接着剤をたっぷり流し込んで、ガチガチに固めてしまったように見えます。これじゃあ、開くわけないじゃん~。
なんとか分解して復旧しようと試みたのですが、あまりにしっかり付いてて、分解不能。発想の転換で、丁番のシャフト部は、片側固定・片側回転ですが、本来回転する側が接着剤で固定されてしまったので、本来固定の側の固定の為の段を削り取って、本来固定の側で回転させるように改造しました。
これで何とか、開け閉め変形ができるようになりました。

4件目、DisneyWorldFamilyのサウンドペンです。

「充電できなくなった」との事。
現地にて、充電器から5Vが出てるのは確認しましたが、USB充電器をミニUSBのケーブルで本体に差す構造で、ミニUSBコネクタは小さすぎて、テスタで当たれず、ケーブルの良/不良の判断が付かず、お預かりすることになりました。

自分ちのタブレット等に差してみて、充電器もケーブルも悪くない。
分解して、コネクタにケーブル差した状態で基板側で当たってみると、電圧来てない…。
よく見てみると、ミニUSBコネクタの5本の端子が、端の2本が無くなって、中3本だけになってる!

これじゃ、電圧来ないわなぁ…。(そもそも、現地で見て気付くべきだった…)
何とか力業で、お金を掛けずに再生できないかとしばし悩みましたが、さらによく見てよく考えてみると、金色の端子の下には、本来ベースのプラスチックがあって、そのプラスチック上に電極が固定してあるはず。つまり、DSなんかでもよくあるのですが、ベースのプラスチックの部分が折れてしまって、電極が壊れちゃったんですね。これは取り替えるしかありません。

依頼者さんの了解を得て、ネットで注文。送料入れて、2個で280円だったかな?
部品さえ来ればあとは簡単…と思っていましたが、なかなか大変でした。
以前に、3DSで基板からコネクタが外せず苦労したことがあったので、今回は最初から、足をヤスリで削って切り落としてから、ハンダこてで外すことにしたのですが、それでも中々外れず…。結局基板をかなり傷めてしまいました。(後から反省、鉛フリーハンダが使ってあって、融点が高いのかもしれない。せっかく温調ハンダごて使ってるので、温度設定を上げるか、手持ちの鉛入りハンダを「追いハンダ」して、融点を下げてやるべきだった…)

基板側の5本の線は、ほぼ全滅状態…。しかも、入手したコネクタは、元々ついてたものよりちょっと長い様で、基板接続の位置が合いません。
プラス側は、なんとか基板のレジスト削って接続。GND側は、メッキ線で他のGND部に繋ぎこみました。

これで何とか充電できるようになりました。
回路を見た感じでは、USBの信号線は、ミニミニなトランスの様な物を介してLSIに入ってる様なので、USBケーブルは単なる充電だけじゃなく、パソコンにつないで何かできる構造になってる気がします…。
依頼者さんに一旦、「パソコンに繋ぐ機能は復旧できていません」(「使った事ない」との事)と連絡しましたが、まだやればできるはず。
結局、信号線も片方はレジスト削ってハンダ付け、もう片方はメッキ線で引っ張って、なんとか接続し、パソコンとも通信できるように復旧させました。

さて、最後5件目、「AERO BIKE」というおもちゃです。

元の動きがどうなのかよく分かりません…。が、とりあえず分解してみます。

別のイベントの日に、ベテランドクターと一緒に分解してみました。
シールの下に隠しネジが一杯あって、結構大変。
底にクラウンギアで駆動される小さなタイヤが2個ついてます。(ギアが抜けて取れてましたが。)
しかし、中央部分に「台」みたいなのがあって、それが引っ込んでくれないと、タイヤが働いてくれません。
だいぶ悩みましたが、結局ギアBOX分解して、この「台」を上げたり下げたりして、タイヤ→ウイングに変形する機構を動かすためのギアの割れを発見しました。
えーっと、どうだったかな?m=0.6の大き目ギアで、たしか9Tだったのを、なんとか行けるか?と、手持ちの10Tに取り替えました。
これでちゃんと変形もするようになりました。

バイク形態でうろうろ動いた後、中央部の台が出っ張ってきて「ホバリング状態」になって、迫力のサウンドと共に回転しながら両ウイングが開いていく、かっちょいいおもちゃでした。
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