星降る夜は空襲に要注意

2012-12-14 21:47:36 | 軍事ネタ

昨夜はふたご座流星群が全国的に観測されたそうで。
みんな流れ星の話をしていました。

良いね、この肌を刺す空気の中、年の瀬に流れ星とは。
とてもロマンチックだ!
運がよければ領空侵犯の中国機や北朝鮮ミサイルも見えるかもしれない。

流れ星といえば、軍事に関連付けて。




昔、まだレーダー技術が未熟だった第二次世界大戦期は、星を敵機と見間違えることが多かった。
戦時にあって各国は灯火管制を敷いており、都市部であっても空は暗く、
それだけに星がはっきり見えたろうだけに起こりえた偶然。

夜間戦闘機パイロットですら、敵機を追い回していたと思ったらぜんぜん追いつけず、
よく見たら明るい星だったという話がある。
敵爆撃機による空襲を神経質に警戒していた地上高射砲部隊でも同じことが起こった。


どこの国でも、特に激しく空中戦をしていたイギリスやドイツなんかでも発生したと思われるが、
最も大規模で有名な事例がアメリカのロサンゼルス。

1942年2月25日、当時は3ヶ月前の真珠湾攻撃を皮切りに太平洋戦争が勃発したばかりであり、
まだまだ日本軍が勢いに乗り、各地で連合軍相手に連戦連勝を重ねていた時期。
それだけに本土のアメリカ市民はいつ日本軍が攻めてくるのか、上陸してくるか、
真珠湾のように空から爆撃するのかと戦々恐々としていた。
さらにこれの前日、24日には日本の潜水艦が海面へ浮上しアメリカ本土の石油施設へ砲撃もしていた。
つまり日本軍によるアメリカ本土攻撃に対して最も過敏なときだった。

25日深夜、ロサンゼルス市で空襲警報が鳴り響きサーチライトが点灯、
戦闘機がスクランブル出撃した上に各所で対空戦闘が開始された。
「日本軍機が空いっぱいに襲来、30-40機」と報告され、高射砲弾が都市上空に激しく打ち上げる。
対空戦闘が終わってみれば、打ち上げた高射砲弾の破片が市内に降り注ぎ、それによる死者や破損などが報告されるも、
新聞などでは「日本軍機数機を撃墜」と報道された。


しかし不思議なことに、日本軍はこのロサンゼルス空襲を行った記録がない。
当時その海域で空母は活動していなく、付近に基地もなく、
30-40機などという編隊でロサンゼルスを本格空襲など不可能だった。
爆撃による被害もない。

つまるところ、このロサンゼルスの戦いは守備隊の暴発であった。
原因は諸説あり、レーダーの誤作動だとか実はUFOが飛来しただとか色々言われているが、
個人的には全世界的に発生していたように、星の見間違えも一因だと考えている。

あまりに過敏になりすぎた時期、どこかで一つ警報が鳴り、一発の砲声が響き渡れば、
つられて付近の部隊も敵がいるものだと思い込み撃ってしまう現象も、
古今東西の戦場でよく報告されることである。


なんて話を昨今の流れ星に関連して女の子に言うと、口説けるかもしれないね!
今日はロマンチックな更新をしてしまった、女性読者が増えるかな。

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