Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

WE 1936 Series No,6 について (10)終わりに

2021-06-09 13:23:08 | オーディオ

 発煙したWE91Aレプリカをもう一台と取り替えて聴いている。ハムは相変わらずだが(ちょっと大きくなった気がする)対策は面倒になってきてこのままでいいような気になってきた。音楽のジャンルはバラバラでどれを聴いても破綻なく聴けることを目指して調整していた。あらためて音源は大切だと思う。アナログかデジタルという方式以上に録音の差が大きい。冴えない再生の時はシステムに強い癖があってその欠点が強く現れるような音源なのかとも思ったりするがまだ結論は出ていない。細かに出音を測定、分析すれば弱点も明らかになるかもしれないが測定環境の整備は次の課題にしたい。

 調整の内容は主には各スピーカーユニットの繋がりだったがそれ以前にそれぞれが十全に機能しているかの確認が必要でこれは古いユニットならではで全体としての出音が不満足だとどこまでも疑念が生じる。今回はWE555,WE597A、capehart speakerすべてが対象となった。ユニットが故障していないか、励磁電源は適切か、ホーン、バッフルとは適合しているかなど。特にWE555とWE22Aはシステムの主役として十分に稼働しないとすべてがうまくいかない。ホーンの特性で250Hz〜6kHz位しかカバーしないがこの帯域は再生の根幹に当たる部分で上も下も周波数帯域が伸びないがこの状態で癖のない素直な音でなければいくらウーハー、ツィーターを繋げても上手くいかないと思っていた。

 WE555と22Aで聞き続けると耳が慣れてしまって問題が分からなくなる、、という事も経験した。時々ナローレンジの良質なスピーカーで耳のリセットも必要だと思った。もともとWE 1936 Series No,6は2wayシステムなのでウーハーを加えたり切ったりを繰り返してクロスオーバー、バッフルのサランネット、レベル調整を行いある程度落ち着いたと感じてからWE597Aを加えて3way化に移行した。この形態は実際には存在しなかったわけだがワイドレンジサウンドシステム(後期)というカテゴリーであればそれほど邪道ではないとも思っている。WE555とWE597Aの組合せは巷で言われるようにとても相性がいいものだった。WE555と比べてWE597Aの能率が思ったより低いのが意外だったが控えめに鳴るツイーターは違和感が少なく全体の印象もかなり変わる。WE555がシステムの主役で他が脇役かと思っていたが3way化することで役割分担されスコーカーとして調整しやすくなった。2wayだとレベル調整すると全体の印象がガラガラと変わっていたが3wayでは骨格は変えずに細かな調整ができるようになった。

 TA7331レプリカバッフルは変わった形状なためかあまり見かけないがとても良いボックス(?)と感じた。奥行きが長く設置が面倒だが量感があって籠らない音。WE22Aレプリカホーンは最大の不安要素だったのが形状の修正、デッドニングなどを行った。いい方向に向かったのかは不明だがホーン鳴りはできるだけ抑えた方が調整しやすさにつながると思っていた。できれば他の22Aと取り替えて比較したいところだが現状では難しそう。

 なんとか形になるまでたどり着けてほっとしながら毎日深夜まで音楽に浸っています。3ヶ月近く和室を占領した状態なのでそろそろ退去しなくてはいけません。もうしばらく聴いてから場所を移動しようと思っています。

 

 

 

 お読みいただきありがとうございました。

 

後日談1

 WE91Aレプリカにも書いたが試聴中に電源トランスから発煙し破損した。幸いにも同品が海外から数日で入手できスムーズに交換できた。また最近前段WE310Aも不調で(ノイズが出るのがある)選別しながら稼働させているしタンガーバルブも1本寿命となった。初めての経験で通電しても光らなくことが多くなり少し刺激すると回復していたのだが発光が弱くなり次第に電力が取り出せなくなった。最後はまったく発光しなくなってご臨終。先ほどは久しぶりに400V超の感電した。これくらいの電圧だとちょっと焦げた匂いがする。感電の原因は以前も経験あるのだが巻線抵抗に触れたためでやっぱりゴム手袋は必須です。火事もそうだが視力が悪くなると感電も要注意でいい加減自分が嫌になる、、が試聴しているとたまに息を飲むような瞬間があってもうしばらく調整しながら聴き続けたい気がしています。

 

後日談2

 TA7331のサランネットは高域カットの目的でデニム地にしたのが失敗でさすがに使えなかった。帰省した折に麻のハギレをもらって来て張り替えた。

 

 これは何の植物だろう?薄すぎてちょっと梁が透けたのが残念。タンガーバルブがまた1本寿命を迎えたが出音は気に入って(慣れただけかもしれない)毎日聴いている。そんなわけでまだ和室からの退去はできていない。