Decca Decolaがお嫁入り

やっとこさ入手したDecca Decolaの整備記録

Western Electric WE91A レプリカ(15)

2015-03-04 18:10:52 | Western Electric

 2014年12月から始まったプロジェクトですが、限られた条件下での作業もそろそろ大詰めとなりました。
超有名なのに見たことも聴いたこともないアンプのコピーです。ひと昔前なら雑誌などの文献しか資料が無かったのですが、インターネットの有難さを痛感します。
部品の調達にしてもやる気と根気と時間があればかなり達成できる。
しかし肝腎の音は、、やはり出かけて行って拝聴するしかありません。許されればレプリカを持ち込んでの比較試聴が理想です。
状態の良いオリジナルは配線の引き回し、堅牢な構造、ナットの締め付け、半田付けの力量、など本物だけが発するオーラに包まれている(と信じます)。
同じ部品を入手して繋いでも同じ音を再現することはできないことはMarantz#7で痛感しています。
(これは「UFOを見た」という話ではなくあくまでもエビデンスがあることです)
近ごろは古い装置の補修をすることが多くなって一から作ることが少なくなっていたのですが「デッドコピー作り」は思った通り楽しい作業でした。

EMT981の出力はテックラボのアッテネーター付きの変換ボックスを介してアンプに行っています。

作って10年近い。もともと古いアッテネーターの接点が怪しくなってきました。要オーバーホール。
あーDAVEN製でした。開けて接点のメンテナンス。でもRCAとキャノンコネクターとT型アッテネータ接続は、、自分でも不可解な接続となっています。
アッテネーターのケースは廃棄された下水配管のカバーを切ったものです。また片方のツマミはレジンで1/3くらいは修復して塗装したもの。

WE91は2個のカップリングコンデンサーが用いられています。信号が流れる所なのでできるだけ良質なできればオリジナルと同じものを使いたいのはヤマヤマです。
WE310AとWE300Bのカップリングは0.04μFとなっています。前段のプレート電圧は150V。western electric製のオイルコンデンサーを入手しました。

3端子の両端は0.05μFで耐圧は十分です。リークも無い様子。早速仮接続して今のオイルペーパーと比較してみました。
 直後はすこし輪郭が強調したかな、、位しか違いが分からなかったのですが、次第に差がはっきりしてきました。オイルコンデンサーの方が個性的です。袖の裏に隠れていた音がひっくり返して出てきたような、、印象です。音数が多い。これがウェスタン的な音か??
 Beatlesを片CHだけ試聴しています。当時のステレオ録音の特徴から左右はっきりと振り分けられていることは分かっていたつもりですがいままで気づかなかった音に気づいたりで大げさに言えばどきっとする瞬間があります。これだけでも暫く楽しめそう。
 オイルコンデンサーをアンプにアースするとまた音が異なります。ちょっと大人しくなる感じ。

前段の0.01μFのカップリングコンも手に入れたかったのですが入手できたのは

なかなか適当なオイルコンが入手できませんでした。またこれらを試聴しましたがあまり変化を感じなかったので今回は手持ちのスプラグのビタQに変更しています。

中央のケースに収めるために2階建てにして

端子を付けています。0.04μFは多分決まりと思われるので、2階の0.01μFは交換が容易にしてあります。

WE91Aレプリカ。次のステップとしてチャレンジしたいことは
1ヒーターのDC点火。専用トランス+3素子レギュレーター+ヒーターチョーク
2B電源のチョークの追加
3出力トランスの試用、試聴

2は外部シャーシ内のデールの抵抗と置き換えればいいのでいずれ行ってみるつもりです。
1については接続するスピーカーの能率に応じて外部シャーシを追加して行ってみましょう。
3はトランスとの出会いで、、。
今の形をもうしばらくは崩したくないのが本音です。
ところで最近WE339Aを入手することができましてWE300Bと載せ替えるか新たに制作するか迷っています。

 

 

 お読みいただきありがとうございました。


 後日談1

 早いもので完成して6年が過ぎました。この間の稼働はほぼ無かった(!)のですが、1933年のシアターシステムの追試のために引っ張り出して聴いています。ところがしばらくするとモノラル1台から発煙、電源トランスの2次側B巻線がショートしていた。電解コンデンサーのトラブルであれば整流管も巻き込む事になるがそうではなさそう。改めて気づいたのはこのアンプにはヒューズが無い(!)ということで我ながら呆れた。

 アンプに穴を開けたくなかったので115Vの昇圧トランスに2Aのブレーカーを設置して代用とした。

 破損したレプリカトランスは入手から6年以上経過した現在も同じメーカーから入手できた。ただ端子の位置が変更になっていて少し困ったが余裕ある配線だったためなんとかそのまま交換できた。高能率スピーカーなのでハムが気になっていよいよDC点火か、、とも考えたがだんだん慣れてきたのかメンドくさくなって未だにそのままで聴いている。WE300B(A)もますます入手困難になっているが精巧にコピーされた中国製の評判がいいのでいつか入手したいと思っています。