6月7日は、午前中の朝日カルチャーセンターの現地講座(志賀直哉旧居と天理教御津分教会)に続き、13時10分からはよみうり文化センターでの現地講座「奈良ホテル」に参加しました。
奈良ホテルは明治42年(1909)に「関西の迎賓館」として創業した奈良では老舗ホテルです。
日本に9つある"クラシックホテルの会"のひとつです。
設計は辰野金吾で、桃山御殿風の檜造です。
本館玄関を入ると約9mもの吹き抜けになった格天井がこのホテルにある種の優雅さと格式の高さを誇っています。
大階段
赤い絨毯が敷かれ、削り出しの手すり、奈良の伝統工芸「赤膚焼」製の擬宝珠が特徴的です。
もとは真鍮製の擬宝珠が取付けられていましたが、戦時中の金属供出で失われてしまいました。
鳥居とマントルピース(暖炉)
受付向かいにある鳥居とマントルピースの意匠が面白いです。
日本建築とドイツ建築との折衷様式を象徴する所です。
暖炉は客室全室に備わり、大正末期まで使用されていたそうです。
「花嫁」上村松園
左右対称になっている上村松園の作品です。
昭和10年頃に当時の鉄道省観光局が観光日本宣伝の為に使ったそうです。
スチーム暖房
マントピース(暖炉)に代わり、大正時代から最近まで現役で使われていました。
美しい彫刻が施されています。
現在は使われていないそうです。
アインシュタイン博士とピアノ
大正11年(1922)に滞在された際に弾かれたピアノです。
脚部には鉄道省の車輪のマークが施されています。
最近、調律され弾ける状態になっているそうです。
特別食器
昭和10年(1935)に満州国溥儀(ふぎ)皇帝の為に新調した貴賓用の食器が展示されています。
ここでようやく食事です。
場所はメインダイニングルーム「三笠」です。
こちらで頂くとビーフカレーが何か特別なものに感じるから不思議です。
個人では何度か来ていますが、カルチャーの講座だと一般には公開されていない部屋などを川島智生先生の解説付きで見学出来ます。
講座料金は大人の社会科見学の授業料ですね。