京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

京都宇治 萬福寺法堂 保存修復現場見学

2020年01月09日 08時42分00秒 | 日記
昨年の記事になりますが11月2日に京都府教育委員会主催の宇治萬福寺法堂の保存修理現場の見学会に参加しました。



毎年11月の文化の日の前に事前申込制で文化財の修復現場の見学会が行われます。
昨年は本隆寺本堂、養源院中門、東福寺常楽庵客殿、妙心寺小方丈でした。

一昨年は本隆寺の修理現場の見学会に参加、昨年は東福寺常楽庵客殿の修理現場見学会に参加しました。
しかし、昨年の11月1日の東福寺常楽庵客殿の現場では案内の方から写真やブログの公開は教育委員会の許可がいる旨を言われましたので記事にしませんでした。

昨年11月2日.3日の萬福寺法堂は事前申込不要でしかも萬福寺の拝観料もいりませんでした。萬福寺の工事責任者のTさんに偶然お会いし、写真の公開もブログの公開もOKを頂きました。





法堂は、寛文2年(1662)建立の入母屋造、桟瓦葺の建物です。
建物に残る痕跡や寺の古文書から創建時には柿葺だあった事がわかり今回の修理で創建時の姿に戻される事になりました。









長年の風雨にさらされ、かなり痛んでいる状況です。法堂は国の重要文化財に指定され、修復の際は使える部材は出来る限り再利用するのが原則です。







工事は瓦を取り外し、土も落とした状態で、これから痛んだ部材の修理、交換を行い椹(さわら)や杉の薄板で屋根を葺いて行きます。
しかし、工程中にも痛んだ部材が見つかり交換、補強が必要な事が多く、なかなか計画通りには行かないそうです。









これだけの屋根瓦を載せているのですから屋根にはかなりの負荷がかかっています。柿葺に戻す事で屋根の負担は減りますが、瓦に比べて耐用年数が短いのが難点ですね!







また、法堂の下では、瓦屋さんはじめ、工事に関わる事業者の方々のブースがあり、わからない事は丁寧に説明して下さいます。
興味深い見学会で、しかも文化財の修復の専門家のお話も聞けるいい見学会でした。

柿葺に戻った萬福寺の法堂を早く見たいものです。

萬福寺の境内の写真です。