相国寺境内にお祀りされている宗旦稲荷社には面白いエピソードが多く伝わっています。
千家三代目千宗旦に化けた"宗旦狐"は、相国寺で行われた数々の茶会で立派なお点前を披露し、その後どこかへと去って行きます。その後、本物の宗旦が茶会に遅れたことを詫びながら入ってきたそうです。
偽物の宗旦がいる事を確信した弟子達はある日、茶会に現れた偽物を問い詰めると相国寺に住み着いている狐だと白状し、狐の姿に戻り去っていったそうです。
その後も僧堂で坐禅に励んだり、托鉢をしたりと、寺の役に立つ事をしたそうです。
また、門前の豆腐屋が資金不足で困っていると、蓮の葉を採ってきたそうです、豆腐屋はその蓮の葉を売り原料の大豆を購入し、商売が続けられたそうです。
豆腐屋は御礼にと鼠の天ぷらを馳走したところ、宗旦狐の神通力がなくなり銀色の毛の老狐に戻ってしまいます。
近所の犬に追われた宗旦狐は寺の古井戸に落ち死んだそうです。
宗旦狐の死を哀れんだ近所の人たちが小さな祠を建て厚く葬ったのが宗旦稲荷社の始まりです。
なんだかほのぼのとするお話ですねー。