森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

漣を抱くセシル

2009-08-26 01:13:32 | 観劇・コンサート日記

 高田馬場は学生時代もあまり行ったことのない街でした。
早稲田の街。そしてラーメン屋さんの街。
そう言えば大学時代の友人が就職せずに、叔父さんのお店を継いだと風の噂で聞いたのでしたが、今でもその店はあるのかしら。なんと言う名前のお店だったのか、しっかり聞いて置けば良かったな。あら、お話が横道に逸れてしまったわね。

 でも本当にラーメン屋さんが多いのです。行列のできている店もあり、レトロな魅せられる建物のつけ麺屋さんもあります。だけどラーメンって、人気があっても食べてみると自分には合わなかったり、評判が良くても「なんでかしら」と首を傾げたくなるものもあったりしませんか?
好みによって評価が変わる食べ物だと思います。なんだかお芝居と同じようですね。

そしてどうして高田馬場の話をしているかというと、「劇団金子」の二回公演がそこの「アートボックスホール」であったからです。

今回の「漣を抱くセシル」は、喩えて言えば、裏道の「大丈夫かしら、ここ」と不安に思いながら入ってみた小さなお店で食べてみたラーメンが、「な、何これ!超美味しいじゃん。」と感動する味だった、と言う感じのお芝居でした。

 来年の夏、第三回公演があるとすれば、まさかこれを遣るわけには行かないと思うのですが、粘り頑張り粘り頑張り(ミスって二回打ったのではありません。そのくらい粘れと言う気持ちで書いたのです。)、この先何回か続ける事が出来たなら、再演したら良いと思いました。

凄い褒めようだけど、そのくらい面白かったのですよ。
お話はサスペンスです。

10年前に誘拐された冬樹は、仲間割れによって犯人の女が首を絞められている悪夢にうなされながら生きてきました。それを支えてきたのは同じ時に誘拐された那美。だけどある日二人のもとにその悪夢の女と同じ顔をした女性が現れて・・・
その女性は誰なのか・・
悪夢の意味はなんだったのか・・
なかなかよく出来た物語だったのです。

もちろんパーフェクトじゃありません。

なるほどなあと、私、勉強しちゃいました。
でも、私の未来は結構閉ざされているから、私が学んだ所で仕方がないかも。

それは小説と脚本の決定的な違い。セリフの繰り返しはあったほうが良い場合があるというもの。

小説を読んでいて、
「ちょっと待てよ・・」と、ふと思い表紙の裏側の人物紹介をしみじみと読んでみたくなるタイミング、または
「ちょっと待てよ・・」と30ページ前のエピソードをまた繰り返し読んで確認したくなるタイミングの時、お芝居には繰り返しのセリフが欲しい・・・・かも。

登場人物の年齢設定など、ヒントになる言葉は合ったけれどその言葉が速過ぎて掴みきれなかったです。10年前は何歳で、だから今は何歳で、10年前はほとんど大人と子供でも、今は恋愛年齢の範疇にある二人なのか、イマイチ不明でした。

だから勝手に推理してしまったかもしれません。人物設定が変わってしまったかもしれません。一緒に行った妹が
「まっ、いいか。」と言っていましたが(基本的には同じ人種。)、 私のこだわる所です。彼らの年齢設定は、ちょっと私にとってはポイントです。場合によっては10評価が6になるくらい・・・。

なぜなら冬樹と言う青年のキャラは、とっても魅力がありました。帰りに入ったお店で、私はその事を姉や妹に
「人間顕微鏡、人間望遠鏡と言われるほど何でも見えちゃう不思議な力を持っていて、まともに起きていられなくて、トラウマを抱えていて、那美に依存しながら実は守っている男。なんかいいなあ。」と言いましたら、彼女たちは
「そうやって聞いていると、まるで少女マンガの主人公じゃん。」。
なるほどね~。

―と、ここまでながなが書くと、いったい誰がこの記事を読むのだろうとまたもちょっとジレンマ。まあ、いいか。自己満足&姉くらいは読むだろうと言う事で、最後まで書いちゃおう。―

 このお芝居、冬樹の悪夢で始まるつかみ3分がバッチリでしたね。舞台も綺麗だったし。

そしてラストも。
冬樹と那美の別れのシーンは、漆黒の闇、目覚めて見た那美のラストドリームは、煌くような光の中。その対比が切なく甘く悲しかったですね。

ただ、なぜ冬樹とセシルが同じ力を持っていたかも、本当の事を言うと説明不足。あれは「冬樹が見ている」と言う言葉が伝えたセシルからのギフト?
見えなくなってしまった冬樹が
「役目を終えた。」と言っていたから、その解釈でいいのかなと思っているのだけれど、他に説明がなかったような・・・?
後、黒木の憎しみがもう少し伝わってくる一言が欲しかったです。
黒木の4歳の可愛い病気の子供はどうしたんだろうと気になってしまいました。

舞台の一言って、結構重いですよね。
私は那美とセシルの抱き合うシーンに、ちょっと涙がジワッときてしまったのですが、一番ウウウッと来たのは、那美の
「おとうさん!!!」でしたね。

自分たちの命綱であるはずの身代金がみんな偽物だった時の、那美の叫び。その孤独に出口なし。そんな一言でした。

それに役者さんたち良かったです。確かに、熟していないプラム 、そんなイメージがちょっとします。でも今から熟れていてどうするんだって。

そう言えば私、藤原君にも同じ熟していない果実のイメージがあるなぁ・・・

 と、話題が外れてしまった所で今日は終わらせましょう。
まだ話し足りないので、違う記事にてまた追加していると思います。gooにはタグがないので関連記事は、そのうちリンクさせておこうと思っています。

 

 

 

 


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