森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

花燃ゆ第4回「生きてつかあさい」第5回「志の果て」

2015-02-04 09:54:49 | ドラマ (大河)

この大河がイケメン大河と言われているのは、もう納得しています。そして今回4,5の流れで幕末ホームドラマと言われているのも納得したのでした。

 

時代の規格外で生まれたものの行動は凡庸な人間には理解できないものなのか。だけどテレビ前の人間だってほとんどはその凡庸な人間なんじゃないですか〈これ、前回も書いたけれど〉。

だからなのか、どうも凡庸な我が夫殿は毎回寅次郎に対してチクチクと批判がましい事を言ってうるさい!!

 

普通の者が死罪になってもおかしくない事をやっても育と言う優しい罰で済むのは、彼の才能が抜きんでてて誰もが認めるものだったからだと思います。

夫婦間で彼の才能は藩の宝と思われていたのよねなどと話していましたら、藩主もはっきり言いましたよね。

「寅次郎は藩の宝ぞ。」と。

 

だからこそ夫殿は腹が立つのです。自分の思った通り周りを顧みず突き進む寅さんに。

 

このドラマは見る年代によって感想が違うのではないかと思います。すでに年齢を重ねて来てしまった私たちから見れば、寅さんは青年だけれど、まだまだ子供のような感覚なんですよね。

後の天才吉田松陰にだって若さゆえに愚かで突っ走ってしまったことだってあったんじゃないでしょうか。そんな風に伝えられていないだけで。

 

寅次郎の黒船に乗り込んだと言う行動は、この時代の若者の心に火を付けました。また、先日チラ見で残念だったのですが、そのことを小説に書いた外国人もいたのですよね。

今検索してみました。『宝島』の作者ロバート・ルイス・スティーブンソンの『Familiar Studies of Men and Books』 (1882年)に短い伝記が出てくるのだそうです←wiki様情報。

それと言うのもルイスが寅次郎の黒船密航と言う行動に感銘を受け感動したからなんですよね。

 

私自身、「凄いな。素晴らしい行動力だったなあ。成功して欲しかったなあ。」そう思っていたと思います。

 

だけれどそれに振り回される家族が、そこには存在していたのです。

この家族は結束が強く、お互いを思いやっている。それが伝わってきてとっても見ていてホッとします。物言いがキツイ寿さんはちょうどいいスパイスになっていてそれも良いような気がします。

寿さんは言葉のキツイ伯父さん似かしら。

「なぜその場で腹を切らなかった。」などと言うような事を軽々しく言って欲しくないですよね。

 

幕末ホームドラマ、良いじゃないですか。

私、思わずうううっって泣きましたよ。

お兄ちゃんが一人仏間に入って死と向き合っていた時に、嫁さんが

「昼間はバタバタして言いそびれました。おかえりなさいませ。お勤めご苦労様でした。」と静かに優しく言うシーンに。

「おかえり~。」って本当に大切な言葉ですよね。

今日からはもっと心を込めて言うようにしよう…って今決意しました!

 

いつもニコニコ、ここのお母さんのように…って言うのは無理だけれどね。

このお母さんにニコニコ、きっと世間では評価が高いんじゃないかと思うんだけれど、ちょっと私には嘘っぽくて実は相容れない点でもあります。母はこうあって欲しいと言う願望の表れなのかなと思いますが、今後に期待キャラさんです。

 

大沢たかおと麻生祐未、ああ、「仁」だなあって思っちゃうのですが、金子ツルの麻生さんには本当に泣かされました。

本当に優しくて子供を想っていた母。対面を許されても変わり果てた姿が本当に悲しかったと思います。

吉田寅次郎を心から憎んだと思います。

出会わなければと運命を呪ったと思います。

遺体で帰ってきた金子重輔を「ここにいるのは染物屋の息子です。」と言うシーンは胸が痛かったです。

だけれどこの母は、本当に子どもの事を想っていたから、子供の心が分かっていたのですね。彼は高い志を持ち、その志を持ったまま死んだのだと。だからその証のボタンを届けてくれたのです。

 

大河ファンには好き嫌いが分かれそうなシーンだと思ったのは、かなり大事な事を寅次郎に文さんが言うシーンです。

今まで「ありえないよ~!!!」と言うシーンを大河では見せつけられてきました〈とある作品では〉。でもこの展開は「あったかもしれない」と言う展開で、この大河は狙い通り自由度が高いです。

ゆえに面白い。

 

野山獄はお日様タイムがあったり囚人同士で語り合ったり本も読み放題。

寅次郎はここでも前向きに生きようとしています。だけどその気持ちを押し潰したのは、同じ獄の囚人の富永有隣の金子と言う痛いキイワードで突き刺す言葉だったのです。

ちょうど文がやって来た時、寅次郎はかなり暗い雰囲気。

そこに文が金子の死を知らせ、「お兄様が殺した。」と言うのです。

もしもドラマを見ていないで、ここの文章だけ見る事があったなら〈ないと思うけれど〉、なんてことを言うんだと思うと思います。

だけどこのシーン、凄く良かったです。

視聴者の気持ちをバーンと言ってくれたんです。

「父上様も兄上様もお腹を切ろうとした。」←いつもながらセリフは不正確ですよ。

「なぜみんなの事も考えずにそのような行動をとったのですか。」

「兄上様のお考えが正しいと言うのなら、その証をお見せください。」

要するに獄の中で、「中途半端な事してんじゃねーよ!!」

とカツを入れに行ったんですよね。

まさに井上さんのキャラだと思います。

 

お兄ちゃん、今辛い時なのに、ああ、大好きなお兄ちゃんに言いたい放題言っちゃったなあ…とか思いながらかとぼとぼと歩いて戻ってきた文さんをお母さんはニコニコと抱きしめてくれるのでした。

 

次回は女囚高須さんのお話ですね。この人と寅次郎さんは♡♡  どんな風な展開になるのかちょっと楽しみです。

 


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