観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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懐かしき昭和がここにある「佐賀のがばいばあちゃん」

2007年05月06日 | 映画・ドラマ
 昭和30年代の光景を目にするだけで心躍るのはなぜだろうか? よくよく考えると、冷暖房もろくにありゃしなく、トイレだって汲み取り。電話を引いている家だってまだまだ少なかった。
 今から思えば「便利」とは言い難い生活だったが、そこには、「色」とか「臭い」とかいうものがあったあような気がしてならない。
 なので、昭和30年代を舞台にした作品は内容を問わず、ほのぼのとした気持ちになれるので好きである。内容を問わなくても駄作もないのが特徴とも言える。
 「もみじまんじゅー」と訳もなく(だってちっとも面白くなかったもん)騒いでいた感のあった漫才師・島田容洋七が文才を発揮した原作の映画化だ。
 これといった山場もなくただ淡々と日常を綴っているのだが、これが30年代だと言っていい。普通の人々の普通の日常が普通に描かれ、それだけで絵になるのが30年代なのだ。
 母親の元を離れ、佐賀県の祖母と暮らすことになった主人公・明広の成長記録。
 そっけないが筋はとおす気骨ある祖母を吉行和子が演じている。決して優しくはないのだが、心根は温かい。こんな人も今や稀なんだろうな。
 佐賀県て所は私が行ったことのない4県の1つなのだが、「いい所だねぇ」。とんでもない所だって(人に癖があるらしい)噂は聞いてたので敬遠してたけど、町並みや景色は素敵だったぞ。
 この妙に懐かしい、映像にはんなりとした気持ちに浸れた。出演者も「どこにでも居そうな」感じがいい。豆腐屋のおっちゃんに緒方拳ってのは冒険だけどさっ。