かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

日本ピラミッド(前編)

2008-01-13 11:15:22 | 旅行
世の中には、あちこちに怪しげな名所・観光地があるのではないかと思っております。それを見に行って、その怪しげぶり・インチキぶりを暴こうと、会社勤めをしていた頃、自分で勝手に新聞のようなものを作った事があります。残念ながら、平成15年に第1号を作ったきり、その後第2号が作れずにいます。そういうわけですが、今回はその第1号をブログ用に編集しなおして、2回に分けてご紹介したいと思います。
ところは広島県で、県道にも大々的にその標識があり、出張で何度かそこを通るたびに気になっていたものです。なお、本文は、多少おちゃらけ的冒険活劇風ドキュメンタリーになっておりますことを、お断りしておきます。
では、はじまり、はじまーり! 

『日本ピラミッドの正体・・・ついにベールを脱いだ日本ピラミッドとは
かねてより某民間会社にて、密かに話題になっており、広島県の山間部に存在すると噂されていた「日本ピラミッド」なるものを捜し求めて、4月某日、自称探検家のD・キムコ氏(年齢不詳)が、数名の架空の同行者とともに、道路わき看板などわずかな手がかりをたよりに、目的地へ向かった。林の中を数分走った狭い道路の終点には、駐車場があり、案内看板を見つけた。そして、その看板のイラストを見て、ますます胸が高鳴ったのである。 


そして、一行は車を降りいよいよ山中に入った。 途中、蛇に化けたヤマタノオロチに行く手を阻まれるなど、苦難の連続であったが、草薙の剣に勝るとも劣らない棒切れで追い払うなどして、何とか難を逃れ、額に汗しながらひたすらピラミッドを目指し、山行を続けること約40分、ついに、一行は日本ピラミッドにたどり着いた・・・かに思われた。
たどりついたところは、木々の生い茂った山頂。しかしながら、そこには、ピラミッドらしき造形物は見当たらない。「葦嶽山815m」の標識と日本ピラミッドの由来が書かれた倒れかけの看板があるだけである。(まるで、かの『トリック』の出だしを彷彿とさせる) 


ピラミッドと言うからには、せめて石積みあるいはそれらの残骸があるだろうと期待していたD・キムコ氏の落胆は、その表情に表れていた。そして、「これをピラミッドと見なした度胸と想像力はどこからくるのだろう」とため息をもらしていた。
山頂から下って離れて眺望すると、葦嶽山山頂は三角形を呈しており、確かに形はピラミッドに似ていなくはない。しかしながら、架空同行者の地質屋A氏は「これは花崗岩からなる山体であり、人工的に盛り上げて造られたものとは思えない」と語り、B氏は「これがピラミッドなら、その周辺にはラクダのウンコがあるはずだ」とブツブツ言っていた。また、C氏は「ピラミッドに木が生えているなんて聞いたことがない」と驚いているようすであった。 

【日本ピラミッドと呼ばれる葦嶽山山頂の山容(標高815m)】

とはいえ、葦嶽山からの見晴らしは結構いいものであった。
     ≪つづく≫