昨日、民主党の小沢一郎代表が突然辞任表明を行った。2日に福田首相から連立を打診されたが、民主党の役員会で拒否されたことが原因のようで、「政治的混乱が生じた。党役員から不信任を受けたに等しく、けじめをつける」との理由だ。
連立を申し出たのは小沢氏の方だ、とも言われているが、密室で会談すれば、憶測も飛び交うだろう。どちらが持ちかけたのか知らないが、予定していた党首討論を延期してまで密室会談をする必要性は何なのだろう。小沢氏は、党首会談の場で、なぜ連立拒否を即座に伝えなかったのだろうか。彼は、今連立を組めば民主党の意のままにできると考えたのだろうか。有権者は、先の参議院選挙で自民党との連立を期待して、民主党に投票したのではないだろう。小沢氏は、この選挙で政権交代を使命に掲げていたではないか。国民の多くも、二大政党制時代がもうすぐ訪れる気配を感じていたのではないだろうか。小沢氏の変わりようは何なのだろう。新進党時代から同じようなことを繰り返している。自民党を離党し、その後連立を組み、また離れ、民主党に合流し、そして再び連立を組もうとする。私には理解しがたい。小沢氏は、何を目論んで民主党に合流したのだろうか。まさか、民主党を引っ掻き回すために入ったわけではあるまい。「ねじれ国会」などと言われているが、民主党も大いにねじれている。
1955年、結成・解体を繰り返していた政党のうち、自由党と民主党が連合して「自由民主党」が結成された。そういえば、小沢氏が民主党に合同するまで、自由党があった。今の「民主党」は頭に「自由」が付かない。自由民主党より自由がない政党ということなのだろうか。もし、自公民連立になると、議会のチェック機能が働かなくなるだろう。これでは、戦前の「大政翼賛会」と同じではないか。一党独裁の中国政治とあまり変わらなくなるではないか。こんなことがまかり通るなら、国会なんて必要なくなる。政党政治って何だろう?
小沢氏は、自分自身の軽率な行為が原因で、混乱を招いたと思われるのだが、昨日の辞任会見では、残念ながら反省の弁がなかった。それどころか、「民主党は力量不足」などと言ってしまってはまずいだろう。
安倍前首相といい、小沢代表といい、なぜ二大政党の党首が、こんな無責任とも受け取れる「放り投げ」を簡単にやるのだろうか。安倍前首相の辞任即入院の本当の理由は、父からの莫大な遺産相続の脱税疑惑ではないかとささやかれているが、小沢代表も何かやましいことがあるのだろうか。この先、病院に駆け込まなければ良いが。