本当に痛ましい事件が起こってしまった。ミャンマーで、日本人ジャーナリストが銃撃されるシーンが、何度もテレビ画面に流された。信じがたいような光景だ。
9月18日に僧侶たちによる大規模抗議デモが始まり、連日反軍事政権デモのニュースが報道され、その後市民も合流し、ついに24日には10万人のデモとなった。そして、軍事政府の治安部隊による威嚇発砲が繰り返されるようになり、死者が出てしまった。しかし、あのシーンを見ると、威嚇なんていうものじゃなくて、明らかに殺意を持って銃撃したとしか思えない。どうも、治安部隊は、ヤンゴンの僧侶に親近感を持たない地方出身の兵士を前面に立てて、デモ隊を鎮圧する作戦を取っているようだ。ミャンマーの軍事政権は、クーデターで全権を掌握し、その後行われた総選挙で民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん率いるNLDが圧勝したにも関わらず、選挙結果を無視して17年たったいまでも実権を握り続けているばかりか、彼女を軟禁したままだ。
東京に住んでいた頃、ミャンマーから来日していたある女性が、「自分はミャンマーという国名が嫌いで、その名称は使わずビルマと言う」と言っていた。私はその時理由がわからなかったのだが、彼女は「ミャンマーという国名は軍事政権が勝手につけたものだから」と説明してくれ、納得した。我々世代にとっては、ミャンマーよりもビルマのほうがしっくりくる。
軍事政権対僧侶といえば、私は、比叡山焼き討ちや一向一揆の人たちを大量虐殺した織田信長を思い出した。しかし、今回のデモは完全非武装であるにもかかわらず、軍政は強硬手段にでた。こんな暴挙が許されていいはずはないと思うのだが、中国は、全く説得力のない理由を掲げて軍事政府を擁護している。ミャンマーを通る自国のパイプラインを守りたい、などの理由があるからだろう。あきれたものである。
軍事政府は即刻武装解除して、国民・僧侶たちと話し合いをするべきだ!