何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

栄山寺-(2) (五條)

2017年02月23日 | 寺社巡り-奈良

【奈良・五條市】戦国時代に八角円堂を除く伽藍の大半を焼失し、後に本堂や阿弥陀堂などが再建された。 仲麻呂建立の八角円堂と平安三絶の鍾の一つとされる菅原道真選で書聖小野道風筆の梵鐘は国宝。 他にも、重要文化財に指定された仏像、装飾仏画、石塔等多くの文化財を蔵している。

本堂から境内の東側に進むと、一番奥に天平建築の八角円堂がひっそりと建つ。 約1250年前に建立された八角円堂....まさに天平の香りを漂わせる御堂に暫し見惚れてしまった。 四方に板扉を設け他の四方を連子窓とした簡素な造りながら、バランスのとれた美しい建築だ。
八角円堂の左手に狛犬と丹色の両部鳥居が立ち、樹林に覆われた石段参道の奥に社殿の一部が見える。 緩い登りの石段を進んで社殿に....石を積み上げて造られた石燈籠1基が立つ境内に切妻造りの簡素な拝殿が建ち、拝殿から続く左右に土塀を設けた石段の上に丹色の板塀の中に本殿が鎮座している。 本殿は覆屋で護られているが、塀の隙間から覗くと傷みがかなり進んでいるのでチト心配になった。
拝観を終えて受付に戻ったがやはり誰もいない。 再度、奥に向かって声を掛けたが....無断拝観の謝罪メモと拝観料を窓口に置いてお寺をでた。

境内の一番東の奥に建つ奈良時代建築の八角円堂
 
八角円堂は藤原南家仲麻呂が父母追善供養のために建立/八角円堂の傍に立つ三界萬霊塔..月輪に胎蔵大日如来の種子が薬研彫り,「為三界萬霊平等利益」の銘が線彫り

奈良時代の天平宝字年間(757~765)建立の単層本瓦葺の八角円堂(国宝)

外観は平面八角形だが内部の身舎は四角形

八角柱の柱で、四方に板扉を設け残りを連子窓としている
 
八角円堂の二軒..上の飛檐棰は角材、下の地棰は丸材

本堂資料室の写真を拝借..堂内中央に阿弥陀如来像が鎮座

八角円堂の左手に立つ御霊神社への丹色の両部鳥居

御霊神社の参道に百度石、天保時代造立の石燈籠そして獅子の狛犬がある
  
「百度」と刻まれた百度石..造立年号は不明、百度詣は平安時代から行われた祈願習俗の一つ/天保十五年(1844)造立の石燈籠

控柱がついた丹色の両部鳥居..奥に御霊神社の社殿が見える
  
精悍な顔の阿形吽形の獅子の狛犬/参道石段の奥に簡素な社殿が建つ

切妻造桟瓦葺の質素な造りの拝殿
  
石を積み上げて造られた石燈籠

左右を土塀に囲まれた石段の上に柵に囲まれた切妻造りの本殿が建つ
 
二層屋根に見えるが、本殿屋根上に覆屋を設けているようだ/本殿前に元禄三年(1690)造立の石燈籠が立つ..社殿の傷みが激しいようだ

八角円堂がある境内に半分以上埋もれた地蔵石仏と輪郭を巻いた舟形の3基の古い墓標(と思う)
 
境内社                        「行宮阯」の石碑と切妻造桟瓦葺の簡素な造りの山門
  
境内には明治時代に建立された自然石に刻まれた句碑が点在する..左は明治三十二年(1899)建立、中は明治十九年(1886)建立/右は明治二年(1869)建立
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