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【愛知・岡崎市】室町時代の永禄五年(1562)、徳川家康が祖父(松平家七代清康)とその妹久子(於久)の菩提を弔うため、大樹寺十五世黁誉魯聞を開山として創建した。
祖父清康は13歳で家督を継ぎ、松平氏で初めて三河を統一したが、天文四年(1535)、尾張攻略のため守山に出陣していた時、家臣阿部正豊の謀反に遭って死去。 於久は家康が生母於大と生き別れ以来、3~6歳頃まで家康を養育した人物。
江戸時代に入ると、家康の先祖に対する権威付けのため松平氏ゆかりの寺院の寺格が高められた。 宗旨は浄土宗で、本尊は木造阿弥陀如来坐像。 三河三十三観音霊場第2番札所。
◆県道477号にあるバス停「梅園南」から向かったので、西側の駐車場から境内に入った。 境内を通って真っ直ぐ南側の門前に....。
参道入り口に建つ惣門は、屋根各所の瓦に三つ葉葵の紋が配されていて、格式高い寺であることを主張している。 また、門前の寺号標石は、立派な亀甲積の基壇の上に立っていて威厳を感じさせる。 惣門の間から参道奥の石段の上に建つ楼門造の山門が小さく見える。
惣門をくぐり、白土塀の間に延びる大きな切石を敷いた参道を進むと、石垣の上に造営された白土塀で囲まれた伽藍が迫ってきて、まさに城の防衛拠点の名残を残す城郭寺院の雰囲気だ。 石段両側に設けられた階段状の白土塀は、楼門造の山門と相まってなかなか趣がある。 四脚の楼門造の山門は風雅で、下層の柱が外側に「ハ」の字に反っていていわゆる「転び」になっていて興味深い。
殆どの寺院は山門の正面に本堂が建っているが、このお寺は本堂ではなく、本堂右手の少し奥まったところに建つ書院が正面になっている。 まずは本堂で参拝し、直ぐに本堂右奥に建つ書院に。 書院は江戸初期の創建で当時の姿を見せている遺構で、樹林を背にし控え目に建つその佇まいは、格式の高さを感じさせる。大棟の鬼瓦、拝の三つ花懸魚、妻飾そして大きな唐破風の玄関....いずれも味わいがある。
書院前参道の右手に手水鉢と2基の石燈籠を配した坪庭があり、その脇に建つ庫裡は書院と同じく江戸初期の創建で、この建物も当時の姿を残している。 本堂は徳川2代将軍秀忠による再建で、正面七間は連子を入れた桟唐戸、格子窓そして白い小壁と羽目板だけのシンプルな造りだ。 本堂前の白土塀傍の芝生に、本堂を向いて13体の石仏が鎮座。 立派な蓮華座に鎮座する丸彫りの地蔵菩薩坐像と、三界萬霊塔の左右に並ぶ六道で苦しむ人々を救済する厚肉彫りの六地蔵と六観音で、いずれも舟後光型石仏だ。
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△入母屋造本瓦葺の惣門(と思う)....門前の亀甲積み基壇上に寺号標石が立つ
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△木口の胡粉を施した二軒繁垂木の門は、大棟や鬼瓦の鳥衾、軒丸瓦に三つ葉葵を配している
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△総門を通して眺めた境内....大きな切石を敷いた参道の両側には白土塀と植栽があり、奥の石段上に楼門造の山門が建つ/山門の左右に石垣上に造営された白土塀が続き、まさに城郭寺院の雰囲気が漂う
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△山門前の石段参道の両側の石垣上に造営された白土塀(築地塀)が階段状に連なる
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△入母屋造本瓦葺の四脚で楼門造りの山門....永禄五年(1562)、徳川家康による創建で、上層に梵鐘を吊るしているので鐘楼門といえる
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△山門は惣門と違い三つ葉葵の紋は大棟のみに....上層に組高欄付き切目縁を設けている
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△下層の柱は「転び」になっていて,外側に「ハ」の字に反っている/上層に梵鐘を吊るしているので鐘楼門といえる
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△軒廻りは木口に胡粉を施した二軒繁垂木で、組物は拳鼻付きの出組で2つの詰組がある
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△山門から眺めた本堂と右奥の書院
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△堂宇境内から見た山門....正面二間側面一間で、四方の格子状の壁に花頭窓がある
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△山門から眺めた正面奥に建つ書院....入母屋造で妻入で、大きな唐破風の玄関がある
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△入母屋造桟瓦葺で妻入の書院....大棟端に三つ葉葵を入れた鳥衾を乗せた鬼瓦、拝に三つ葉葵を入れた三つ花懸魚、妻飾は変形の二重虹梁大瓶束(と思う)
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△鳥衾付き鬼板を乗せた大きな唐破風の玄関....破風板に打たれ矢三つ葉葵の紋入りの飾金具、江戸期の特徴を見せる兎毛通
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△向拝虹梁の上下に精緻な彫刻を配している....菊の笈形付き大瓶束、その両側に獅子像、虹梁下の中央に獅子像
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△入母屋造桟瓦葺の庫裡....慶長十七年(1612)の再建....平入りで切妻屋根の玄関があり、前に木々が茂る坪庭がある
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△軒廻りは一軒繁垂木、組物なし、長押の上は全て白壁の小壁....大棟端に鬼瓦、拝に三つ葉葵の紋を配した三つ花懸魚、妻飾は笈形付き虹梁大瓶束/庫裡妻面に唐破風と切妻屋根の2つの勝手口(と思う)
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△庫裡前の坪庭に佇む2基の石燈籠....中台に2頭の龍の彫刻を施した雪見燈籠/火袋、中台、竿に装飾彫刻が施され、竿には昇龍とみられる彫刻が巻き付いている石燈籠
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△本堂前境内の左奥から眺めた本堂と山門と庫裡
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△入母屋造桟瓦葺の本堂....元和五年(1619)、徳川2代将軍秀忠の再建
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△軒廻りは二軒繁垂木、組物はなく、長押の上は全て白壁の小壁....中央間に桟唐戸、両脇間3間に格子窓を配す....周囲に擬宝珠高欄付き切目縁を巡らす
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△中央間は両折両開の連子を入れた桟唐戸、内側に腰高格子の引き戸/大棟端に鬼瓦、拝に三つ葉葵の紋を入れた三つ花懸魚、妻飾は虹梁大瓶束
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△中央間の腰高格子戸から拝観した弥陀定印を結んで鎮座するお顔の見えない阿弥陀如来坐像/本堂向拝横に立つ「法然上人三河二十五霊場」と刻まれた石碑
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△本堂に向かって鎮座する地蔵尊坐像越しに眺めた本堂
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△本堂に向かって鎮座する石仏群....中央に「三河三十三観音札所」の幟がはためく
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△石燈籠を構え、蓮華座に鎮座する地蔵尊坐像
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△三界萬霊塔を中央に右に舟光背型六地蔵菩薩石仏、左に六観音石仏が整然と鎮座
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△左に鎮座する六道で苦しむ人々を救済する六観音菩薩石仏
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