何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

尾張大國霊神社-(2) (稲沢)

2023年02月01日 | 寺社巡り-愛知

【愛知・稲沢市】時代が下るにしたがって尾張大國靈神社という社名が薄れ、戦国時代以降は一貫して「国府宮」と称された。 国府宮は境内別宮の大御霊神社、宗形神社とともに国府宮三社と称されている。 尾張大國靈神社は、平安時代康保四年(967)に施行された「延喜式」で小社(社格)に列せられた。
昭和十五年(1940)に国幣小社に列格され、社格制度廃止後の昭和二十三年(1948)に定められ別表神社となった。

■吹き放しで妻入の拝殿は江戸初期の建築で、檜皮葺屋根の軒が緩やかに大きく照り反っていて趣がある。 牛蒡注連が張られた拝殿前の左右に玉取りと子取りの阿形吽形の狛犬が鎮座。 拝殿正面に鈴や賽銭箱が無く、入口もないので参拝に苦慮した。 拝殿の列柱の間から、注連縄に囲まれて自然石が立ち並ぶ「磐境」が僅かに見える。 「磐境」は社殿が建つ前に神様を祀った古い原始的な祭場だ。 拝殿や廻廊の周囲には木造りの玉垣が設けられ、まるで参詣者が社殿に近づくのを拒んでいるかのようだ。 拝殿に向かって左側に社務所・授与所など、右側には儺追殿が建つが、儺追殿では毎年悪疫退散の祈祷の儺追神事「はだか祭」が行われるそうだ。

△切妻造檜皮葺で妻入の拝殿(重文)....江戸時代初期の建築

△拝殿前に鎮座する狛犬....右は玉取りの阿形狛犬、左は子取り吽形の獅子

△大棟に鳥衾を乗せ五七桐紋を入れ鬼板、拝に猪ノ目懸魚、妻飾は2本の斜材を入れた豕扠首....注連縄が張られた正面に鈴や賽銭箱がない

△吹き放しの拝殿の柱は総丸柱....内側に本柱の丸柱が並立....主柱と側柱(庇柱)間に繋虹梁を入れ、中央の主屋部分には小組格天井を張る、左右の裳腰は屋根裏垂木が見える化粧屋根裏天井

△拝殿の柱の間から眺めた「磐境」....社殿が建つ前に神を祀った古い原始的な祭場....注連縄で囲まれた5個の大きな自然石が円形に立ち並んでいる

△軒廻りは二軒繁垂木で組物は舟肘木

△大棟に菊紋を配した一番奥の屋根が本殿(重文)で、流造檜皮葺....祭文殿左右に廻廊を延ばし、廻廊から延びる瑞垣で本殿を囲んで神域を形成している

△拝殿を向いて建つ入母屋造銅板葺で裳腰を設けた授与所

△授与所の右隣に連なって建つ社務所

△社殿に向かって右側に建つ儺追殿....毎年悪疫退散の祈祷の儺追神事「はだか祭」が行われる

△入母屋造銅板葺の儺追殿

△切妻屋根の玄関....大棟に鳥衾を乗せ七五桐紋を入れた鬼板、破風の妻に猪目懸魚、妻飾は豕扠首

△玄関に注連の子と紙垂が下がる牛蒡注連が張られ、虹梁の上に脚間に七五桐門を入れた板蟇股が乗る

△正面は格子戸、格子窓そして白壁....建物の土台がなく平面に置かれた礎石の上に柱が立つ....建物の周囲に軒から落ちる雨水を受けて配す利する落雨溝を設けている

△軒廻りは二軒疎垂木、組物は舟肘木で中備なし....正面の軒下に釣燈籠が下がる

■境内南東側の樹木が鬱蒼と茂る中に六柱の神様が鎮座する「六末社」がある。 「六末社」へは境内からもいけるが、一般道に面した石造りの明神鳥居をくぐって「六末社」境内に。 静寂に包まれた境内に、同じ造りの六つの社が横一列で南面で建つ。 鎮座している六柱の神様は、古来より国府宮の人々に崇敬され、代々お祀りされている。

△境内南東側に茂る樹木の中鎮座する六柱の神様....社殿側の入り口に立つ社号標石は明治二十七年(1894)の造立

△「六末社」が鎮座する境内の正面入口に建つ石造り明神鳥居

△静寂な木立の中に鎮座する六末社

△基壇の上に建ち並ぶ流造檜皮葺の六つの末社....両側に六末社を護る狛犬が鎮座

△六末社は右から司宮神社(猿田彦神)、稲荷神社(倉稲魂命)、三女社(田心姫命、湍津姫命、市杵島姫命)、白山社(菊理姫命)、居森社(素盞鳴命)、神明社(天照皇大御神)

△吽形狛犬側から見た六末社

△六末社の両側に鎮座する阿形吽型の狛犬

△吽形狛犬の傍に佇む石燈籠....竿に「昭和丙子春」と彫られているので昭和十一年(1936)の造立/六末社境内の右奥に建つ切妻造り板葺の吹き放しの建物



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 尾張大國霊神社-(1) (稲沢) | トップ | 最乗寺の多宝塔 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

寺社巡り-愛知」カテゴリの最新記事