何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

萬弘寺 (国東)

2016年02月16日 | 寺社巡り-大分

【大分・国東市】往古の天台宗の寺院であったが、南北朝時代の応安四年(1371)、富来城主富来忠成が豊後府内万寿寺の豊山正義を開山に請じて創建し、臨済宗に改めた。
富来氏累代の菩提樹としたと伝わるが、富来氏は平安時代以来、国東郡司職を相伝した紀氏の系譜を引き、富来川流域の開発にともなって同地に土着した在地領主だったとされる。 臨済宗妙心寺派で、本尊は室町時代造立の木造釈迦如来坐像。

石垣上の3本の筋が入った白い筋塀の間の石段の上に、2基の国東塔と山門が建つ。 大きな国東塔は、軸部が二重蓮弁と反花座の上に鎮座する堂々たる姿、また、山門は赤い桟瓦葺で四脚門だ。
山門をくぐって境内に....筋塀に沿ってもの凄い数の観音菩薩石仏「千躰観音」が整然と鎮座する光景は壮観だ。 山門から眺めると、境内に幾つかの石造物が佇み、参道の先に不思議な形の屋根を持つ御堂が見える。 御堂は釈迦堂で、切妻造桟瓦葺の屋根を3分割し、中央部を低くして緑色の銅板葺にして向拝まで延ばした構造で、初めて見る造りだ。
釈迦堂の左脇を進むと、小さな放生池があり、池の中の島に石灯籠と唐破風屋根の見事な石祠が佇む。 その直ぐ先に、低い石垣上に設けられた筋塀に囲まれた豪壮な本堂が建ち、その前庭で唖想羅漢像が本堂を見守っているが、その笑顔がいい。

萬弘寺の門前..石垣上の白い筋塀には3本の筋が入っている

落ち着いた雰囲気の山門前..両脇に大きな国東塔が佇む

切妻造桟瓦葺の山門(四脚門)
 
山門を入って直ぐの左右に佇む「千躰観音」..左の千躰観音で中央の石碑に「慈悲」の刻/右の千躰観音の中央に鎮座する漢音菩薩像

山門から眺めた緑に包まれた広い境内

境内参道に佇む石灯籠の奥に堂宇の屋根が見える

釈迦堂前の参道脇に佇む宝塔や石仏などの石造物

切妻造桟瓦葺の釈迦堂..屋根の中央が分離していて緑色銅板葺になっている異形の切妻造り
 
釈迦堂の後方に鎮座する本堂..釈迦堂            境内と本堂境内に分かれている

筋塀で仕切られた境内に建つ入母屋造桟瓦葺の本堂..筋塀の手前右手に放生池がある
 
石仏に見守られて建つ本堂..正面に向拝はなく,擬宝珠高欄を設けた縁そして「萬弘禅寺」の扁額か掲げられている

本堂前庭で笑顔で本堂を見守る唖想羅漢像
  
本堂境内の左側に建つ入母屋造桟瓦葺の鐘楼/鐘楼の床に沢山の竹筒が置かれているが..何だったか失念/本堂前(釈迦堂の後方)の放生池の中に佇む石灯籠と屋根の造りが素晴らしい石祠

鐘楼越しに眺めた本堂と庫裏

本堂に連ねて右手に建つ庫裏
 
釈迦堂境内に立つ独特な形をした巨大な「釈迦灯炉」(昭和五十八年造立)..足元に小さな地蔵石仏が鎮座/「釈迦灯炉」は高さ約4m..灯炉越しに眺めた薬師堂

宝形造堂板葺で相輪を乗せた薬師堂..堂前に六地蔵尊像が鎮座

蓮華座に鎮座する釈迦如来結跏趺坐像
  
釈迦如来像..印相は右が来迎印で左が与願印/達磨大師像/弘法大師像

庭に佇む石灯籠
  
宝珠を乗せた笠の石龕に鎮座する交通安全地蔵/大きな自然石を積み重ねて造立された芸術的な石灯籠
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