何気ない風景とひとり言

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善水寺-(2) (湖南)

2018年09月11日 | 寺社巡り-滋賀

【滋賀・湖南市】寺号「善水寺」の由来は、第50代の桓武天皇が病に伏していた時、最澄が入山し、霊仏出現の百伝の池水を以って薬師仏の宝前にて病気平癒の祈祷を行い、この霊水を献上すると天皇の病が平癒したことから「善水寺」の寺号を賜ったとされる。 南北朝時代の貞治五年(1366)に再建された天台仏殿の本堂は、国宝に指定されている。

鐘楼の脇から樹林の中の表参道の石段を少し下ると、右手に龍の水口の手水舎がある。 更に、参道脇に雛壇のように石仏が鎮座する緩やかな参道を下って行くと、地蔵堂の手前にまるで山城の砦のような柵が設けられ、通行止めに。 パンフの「善水寺見取り図」を見ると、地蔵堂の下側の参道から駐車場に向かう道があり、岩根の里から表参道を上ってきた時はこちらを通って受付するようになっている。
通行止め柵の手前から庫裡に向かう参道を通って本堂境内に戻り、駐車場脇からあらためて地蔵堂に向かう。 地蔵堂への参道の脇には沢山の小さな石仏と五輪塔が整然と並び、また、地蔵堂の傍にも多くの石仏や五輪塔のほか五輪塔や宝篋印塔の笠石を積み上げたとみられる異形の石塔が鎮座している。 地蔵堂右手の少し先に摩崖仏があり、大きな岩に舟形に掘り窪めた中に錫杖を持つ地蔵尊像が浮き彫りされている。
参道を下って行くと左手の旧僧坊跡地に元禄時代に建てられた観音堂が建つ。 観音堂の近くに無縫塔が立ち並ぶ墓所と「不動の大岩」があり、大岩の上部に小さな摩崖不動明王像が浮き彫りされている。 不動明王は山腹に建つ本堂をジッと見つめているようで、なかなか印象的だ。

切妻造桟瓦葺の手水舎....建立年不詳
  
手水鉢は正徳三年(1713)の造立/龍像の水口/本堂前から地蔵堂への石段の参道に多くの石仏が整然と並んでいる

地蔵堂の手前の参道に頑丈そうな柵が設けられ、通行止めになっている

柵越しに眺めると地蔵堂と石塔群、右手前に磨崖仏が鎮座している
 
鐘楼近くに建つ庫裡と前庭....庭に置かれた白い石造物は何かな?
 
地蔵堂への参道脇に整然と鎮座する小さな石仏と五輪塔/参道脇に建つ地蔵堂と異形の石塔、その先に地蔵尊像摩崖仏がある

切妻造桟瓦葺で妻入の地蔵堂....妻面に庇を設け、扉は腰高格子戸
 
地蔵堂傍の石仏と異形の石塔....石塔は五輪塔や宝篋印塔の笠石を積み上げたものとみられる/地蔵堂の中に赤い前垂れをした丸彫りの地蔵尊像が整然と鎮座

地蔵堂の傍に鎮座する地蔵磨崖仏
 
大きな岩に舟形に掘り窪めた中に錫杖と宝珠を持つ地蔵尊像が半肉彫りされている

参道の木立の間から眺めた巨大な不動岩と摩崖不動明王像

入母屋造桟瓦葺で妻入の観音堂....元禄九年(1696)、乗蓮比丘勧進により岩蔵坊僧坊跡に建立された
 
観音堂には元東尾本尊の聖観世音菩薩坐像を奉安/元禄二年(1689)造立の手水鉢
 
大棟に獅子口付き鬼板、拝みに猪の目縣魚、妻飾は中央に束を配した板壁/正面と側面に腰高格子戸と切目縁....側面の縁は内陣位置までか
 
観音堂の東南にある巨岩と墓石が立ち並ぶ墓所....殆ど無縫塔なので歴代住持の墓所だろう/巨岩下部の穴は経典を収めた穴、あるいは納骨穴か?

舟形に掘り窪めた中に浮き彫りされている摩崖不動明王像....室町時代文亀四年(1503)の造立
 
利剣と羂索を持つ不動明王像の右側に文字が刻まれている....最初が「文亀」と読めるのでこれが造立年だろう/巨岩左下の平部に文字が刻まれているような痕跡がある?
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