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何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

延暦寺慈眼堂 (大津)

2021年09月25日 | 寺社巡り-滋賀

【滋賀・大津市】江戸時代初期の正保三年(1646)、天台宗寺院恵日院の山内に建立された禅宗様を基本とした仏堂で、慈眼大師天海大僧正の廟。 堂内には木造慈眼大師坐像(重文)が祀られていたが、現在は延暦寺国宝殿に保管されている。
近世天台宗の傑僧とされた天海は、徳川家康・秀忠・家光の三代将軍に幕府の顧問として遇され、政務にも参加した。 慶長十二年(1607)に比叡山南光坊に住し、安土桃山時代元亀二年(1571)に織田信長の焼き討ちにあって全焼した比叡山延暦寺を復興した。 また、家康の死後、東照大権現を贈号し、日光東照宮・輪王寺や東叡山寛永寺の 創建など多くの業績を残した。 慈眼大師の勅諡号は、慶安元年(1648)に 第110代後光明天皇から賜った。

◆鬱蒼とした木々に覆われた門前に、軒反りの大きな笠を乗せた石燈籠が佇む。 両側に白壁の築地塀が延び、鬱蒼と茂る木々に覆われて日差しが遮られた参道が山門まで延びている。 真ん中が切石敷になっている玉砂利の参道を進んで山門に。
山門は本柱と控柱の間に切妻屋根を設けた高麗門で、左右の柱に小さな「慈眼堂」と「恵日院」の聯が下がっている。 山門を通して慈眼堂が見える。
山門をくぐると苔生した境内が広がり、参道両脇にお椀を伏せたような笠を乗せた数基の重厚な石燈籠が、まるで慈眼堂に誘うように立ち並んでいる。 正面の基壇上に建つ慈眼堂は、慈眼大師天海大僧正の御廟で、江戸初期に建てられた禅宗様の建築様式を基本とした建物。 扇垂木、詰組、桟唐戸、花頭窓、丸柱の粽、礎盤など禅宗様の意匠が見て取れ、荘厳な佇まいを醸し出している。
慈眼堂の左手に厳かな雰囲気が漂う墓所があり、「慈眼大師塔」と刻まれた無縫塔、桓武天皇の御骨塔、後陽成天皇や後水尾天皇の供養塔の九重石塔、徳川家康・紫式部の供養塔などがひっそりと佇んでいる。 九重石塔の二基は相輪ではなく宝珠を笠に乗せている(1基は欠落)。 墓所後方の一段高い所に13体の阿弥陀如来坐像石仏が少し間隔を置いて鎮座し、静かに墓碑群を見守っている。

△天台宗寺院恵日院の境内に建つ慈眼堂の門前....石燈籠を構え、切石敷参道の両側に白壁の築地塀が山門まで延びる

△門前に立つ石燈籠は天明八年(1788)の造立

△切妻造桟瓦葺の山門....両側に簡素な板造袖塀を設けている

△山門は切妻屋根に直角に本柱と控柱間に切妻屋根を設けた高麗門の造り/左右の柱に小さな「恵日院」「慈眼堂」の聯が掲げられている

△山門から眺めた延暦寺慈眼堂の境内....切石敷参道の両脇の苔生した境内に、慈眼堂に誘うように佇む江戸時代初期造立の石燈籠群

△宝形造桟瓦葺の慈眼堂(重文)....江戸時代正保三年(1646)の建立で慈眼大師南光坊天海大僧正の廟

△慈眼堂には木造慈眼大師天海大僧正坐像(重文)が祀られていたが、現在、延暦寺国宝殿に安置されている

△正面三間の慈眼堂の軒廻りは二軒扇垂木、組物は実肘木を乗せた出三斗で柱間に2つの詰組

△両脇間は花頭窓で、下に腰羽目板/中央間に藁座に固定された連子入りで飾金具が施されている桟唐戸

△重厚な石燈籠越しに眺めた延暦寺慈眼堂....後方に恵日院が建つ

△境内の16基の石燈籠は江戸時代初期の造立で、慈願堂の建立と同時に設置された

△延暦寺慈願堂の墓所....江戸時代以降の歴代天台座主の墓(無縫塔)や徳川家康・紫式部の供養塔がある

△後水尾天皇の供養塔の九重石塔        東照大権現の供養塔の九重石塔

△石燈籠が建ち並び、右手後方の一段高い所に鎮座する石仏群に見守られている延暦寺慈願堂の墓所

△桓武天皇の供養塔の石造り宝塔....鎌倉時代後期の造立/後陽成天皇供養塔の石造九重塔

△清少納言之塔の五輪塔(一番手前)、2番目は和泉式部之塔で3番目が紫式部之塔だがいずれも笠石が欠落した五輪塔だと思うが....

△慈眼大師(天海大僧正)之墓碑の無縫塔....寛永二十年(1644)の造立で「慈眼大師塔」の刻/高貴な方の宝篋印塔と思うが不詳

△墓所後方の一段高い所に鎮座する13体の阿弥陀如来石仏....戦国時代天文二十二年(1553)の造立で、江戸時代初期に高島郡(現滋賀県高島市)鵜川から移設された (写真はNETより拝借)

△慈眼堂が建つ鮮やかな緑に囲まれた恵日院の境内

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