何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

滋賀院門跡 (大津)

2021年10月01日 | 寺社巡り-滋賀

【滋賀・大津市】江戸初期の元和元年(1615)、江戸幕府に仕えた天台宗の僧・天海が、第107代天皇だった後陽成上皇から京都法勝寺の建物を下賜されてこの地に移築して創建した寺院。 明暦元年(1655)、後水尾天皇(第108代)から寺領千石が賜われ、明暦元年(1655)に寛永寺の守澄法親王が天台座主に就任した前後に、父の後水尾上皇から滋賀院の寺号を賜った。
江戸時代末まで、天台座主となった代々の法親王が暮らす御殿となり、比叡山延暦寺運の営と天台宗宗政の中心となって延暦寺本坊として機能した。 滋賀院御殿と呼ばれた長大な建物は明治十一年(1878)の火災で焼失したが、比叡山無動寺谷法曼院の建物3棟が移築されて再建された。 宗旨は天台宗で、本尊は薬師如来像。

◆慈眼堂から滋賀院門跡への参道石段を下っていくと、石段の下の左右に境内社が鎮座している。 境内社は乱積みの基壇の上に瑞垣に囲まれて建ち、いずれも流造りの社殿の山王社と石鳥居を構えた稲荷社だ。
たくさんの支え柱を設けた白壁の築地塀にそって進むと、築地塀で囲まれた滋賀院門跡の堂宇境内の外側に建っている天台宗務庁の敷地に。 天台宗務庁近くの築地塀の傍に、日本最初の大師号を賜った根本伝教大師像、そして最澄の有名な言葉からとった「照隅苑」の石碑がある。
天台宗務庁の正面の築地塀に設けられた仕切り門をくぐって滋賀院門跡の境内に。 入母屋造りで白壁の2つの御堂がそれぞれの境内を仕切る塀を挟んで建ち並び、さらに仕切り塀があって山門側に庫裡が建つ。 ネットで調べたら境内には内仏殿、宸殿、二階書院、庫裡、勅使門、山門があるのだが、境内図が見当たらないので、庫裡、勅使門、山門以外の堂宇名は分からない。
2つ目の入母屋造りの御堂の玄関前には透塀があるが、中国でみられる目隠しの照壁のようだ。 御堂傍に珍しい造りの覆屋で覆われた古井戸がある。 覆屋は棟門のように二本の柱で支えられ、補強のためそれぞれの柱の両側に控え柱を設けていて、両部鳥居の控え柱を連想させる。 どれが本堂なのか分からず、また向拝も見当たらない(見過ごした?)ので参拝せず、また散策予定の都合により国の名勝に指定されている将軍家光命で作庭されたとされる池泉回遊式庭園も拝観せず、足早に庫裡前を進んで山門を出た。
山門から右に石垣と筋塀に沿って進むと本坊の正面に勅使門があり、門跡寺院の風格を醸し出している。 滋賀院門跡は穴太衆積みと称される背の高い石垣と5本の筋が入った白壁の立派な筋塀に囲まれ、また筋塀の間に荘厳な勅使門があって比叡山延暦寺の本坊(総里坊)らしい構えだ。

△滋賀院から慈眼堂境内への石段参道の入り口の左右に鎮座する滋賀院境内社の稲荷社と山王社

.△乱積み基壇の上、瑞垣に囲まれて鎮座する稲荷社と山王社

△石段下の左手に鎮座する石造り明神鳥居を構えた稲荷社....額束に「正一位稲荷大明神」の額/流造銅板葺の稲荷社社殿....社を護る神使の狐が一頭鎮座

△石段下の右手に鎮座する山王社        流造銅板葺の山王社社殿

△天台宗務庁が建つ敷地から眺めた滋賀院門跡....築地塀に囲まれて内仏殿・宸殿・書院・庫裏・土蔵などが建ち並ぶ

△滋賀院門跡の築地塀脇に立つ根本伝教大師像と昭和六十三年(1988)造立の「照隅苑」の碑

△天台宗務庁

△築地塀に設けられた仕切り門....中が滋賀院門跡の境内、手前は天台宗務庁そして慈眼堂への参道

△入母屋造桟瓦葺の御堂(堂名分からず)....玄関は入母屋造りで唐破風を設けている....大棟に右三つ巴入りの獅子口、拝に懸魚なし、妻飾は狐格子....軒廻りは失念、組物は舟肘木で、長押の上は白壁の小壁

△入母屋造桟瓦葺の御堂(堂名分からず)....左に境内を仕切る屋根付き板塀、御堂前には照壁のような連子入り透塀を設けている

△大棟端に右三つ巴を入れた獅子口、拝に蕪懸魚、妻飾は連子窓を設けた白壁の素式/切妻造桟瓦葺の覆屋の古井戸....棟門形式の造りで2本の柱に控え柱を設けている

△境内の勅使門の左手にある松尾芭蕉の句碑「叡慮にて賑ふ民や庭竈」....貞享五年(1688)の作/苔生した手水鉢....自然石を用い上面に長方形の水溜が掘られている

△境内側から眺めた勅使門

△入母屋造桟瓦葺で妻入の庫裡....大棟端に獅子口、拝は蕪懸魚、妻飾は狐格子....玄関は獅子口を乗せた入母屋破風桟瓦葺で、拝は三つ花懸魚、妻飾は狐格子

△門柱に「延暦寺事務所」と「通用門」の聯が掲げられた山門(通用門)

△穴太衆が積んだことから穴太衆積みと称される背の高い石垣....自然石の組み合わせのみで積み上げ小石を詰め石として利用している

△滋賀院門跡は、立派な石垣と5本の筋が入った筋塀(築地塀)で囲まれている

△正面に建つ切妻造杉皮葺き(と思う)の勅使門(御成門)....箱棟で正面と後方軒に大きな獅子口を乗せた唐破風を設けている

△二軒繁垂木で格天井になっている....各梁の中央上に動物(鳥や獣)とみられる彫刻が配されている

△門扉は菱狭間を入れた桟唐戸....桟に装飾を兼ねた飾金具が打たれている/垂木の木口、兎毛通し、組物の胡粉を施している

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