何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

旧萩野家住宅-(2) (町田)

2024年09月01日 | 史跡探訪-日本編

【東京・町田市】妻入りの建物は2つの土間(正面・背面)と4つの間から成り、内部の間取りは町屋に似た造り。 正面の広い前ダイドコロと称する土間(側面からも出入りできる)は天井が低く、炊事や作業の場を兼ねた様子がない。
また前ダイドコロは、チョーゴザシキ(調合座敷)と呼ばれる診察室に繋がっているので、患者の待合室として使用されたとされる。 入母屋造り茅葺屋根の外観は普通の農家建築に見えるが、江戸時代末期の農村の医師の建物として貴重な遺構。

★建物後方に主屋から突き出た杉皮葺屋根のベンジョとフロバ、そして後ダイドコロの出入口がある。 西側と北側の一部の軒下は正面の東側と南側、北側の一部の船枻造りとは異なり、竹の垂木むき出しの造り。 後ダイドコロは土間と鉤形板間になっていて、土間にヘッツイ(竈)、板間に囲炉裏がある。板間の西側の出っ張った所がナガシで、座り流しと水瓶とが置かれている。

△建物後方(西側)に突き出た杉皮葺屋根の便所

△便所の北側に杉皮葺屋根の風呂場がある

△杉皮葺屋根の風呂場....手前左の突き出た部分は後ダイドコロの流し場

△北側と西側の軒下は竹の垂木がむき出し

△後ダイドコロ(土間)の突き出た部分には座り流しと水瓶が置かれている/後ダイドコロの流し場には明障子窓を設けている....一般の農家建築では無双窓が多いが…

△流し場に置かれた座り流しと水瓶

△後ダイドコロは土間と板間からなる...土間から見た流し場(右)と腰高明障子戸のフロバ(左)....板間に囲炉裏がある

△後ダイドコロの鉤形の板間

△後ダイドコロのヘッツイ(竈)/ヘッツイから見たナカザシキとチューゴザシキ、奥に前ダイドコロ

△板間に囲炉裏を設け、隅に戸棚が置かれている/囲炉裏の魚の形をした止め木(小猿鈎)

★後ダイドコロからナカザシキを覗くと、9畳敷のナカザシキの西側に一間、北側に二間の大きな戸棚がある。 外に出て建物の北側に....北側は全面が土壁で窓が無い。 正面である東側に回るとチョーゴザシキに格子窓が建て付けられている。
建物の北側の庭に、招き屋根の板倉が建つ。 高床式の板倉は5部屋に分かれていて、前面には揚げ板が張られ、建て柱の上に「ねずみ返し」の板が設けられている。

△後ダイドコロから見た西側面に大きな棚がある9畳敷きのナカザシキ....奥の左チョーゴザシキで右は前ダイドコロ

△ナカザシキの北側面に設けられた二間の大きな戸棚

△住宅の東側のチョーゴザシキに建て付けられた格子窓

△住宅の北側は全面が土壁で窓が無い

△住宅の後方に建つ招き屋根で木皮葺きの高床式板倉....江戸時代末期の建築(推)で、旧萩野家のものではない

△板倉は5つの小部屋からなり、米や雑穀を籾のまま保存する建物....前面は揚げ板、建て柱の上の板は「ねずみ返し」がある

△北側の庭から眺めた住宅....屋根の苔が生えている

△緑に囲まれていて、まるで「日本昔ばなし」にでてきそうな古民家だ















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