耳をすませば~ ♪

      心の声が聞こえる

      『傾聴習慣』のススメ by MAKIE

山形孝夫氏のこと

2010-12-23 17:20:07 | 日記
たとえどんなつらい出来事を経験していようとも、
ほとんどの人は、笑顔を向けて生きています。

私のセミナーに参加してくださる方々も、
みんな明るく元気いっぱい。

初めて参加して、その明るさに戸惑うかもしれません。

「どの人も、幸せそうですね。」

と、そっと、私の耳元でつぶやく方もいます。

でも、心に何の傷も持たず、のほほ~んと楽しく生きてきた方は、
癒されたくて~
自分をみつめるために~
より良い生き方を求めて~
貴重な休日にセミナーに行こうなんて、思わないもんね。

それにしても、どの方も素敵な方ばかり!
心に秘めた悲しみが輝かせるのか、
つらさを乗り越えてきた自信が輝かせるのか。

先日、仙台の友人から、
彼女の母校の学長だった宗教学者山形孝夫氏の話を聞きました。

朝日新聞(12月6日夕刊)に掲載された彼のインタビュー記事を
私も探して読んでみました。

「いつも明るく穏やかな山形先生が、
実は、大変な悲しみを背負って生きて来た方だったんだ、
と知って驚いた。」

と友人は語っていました。

彼が、8歳の時、母親が海で自死したのです。
彼は、母親が独り言のように「死にたい」とつぶやくのを
耳にしていたそうです。
でも、彼は、父にも姉にも言えなかった。

母はなぜ死んだんだろう。

身を切られる悲しみは、いつの間にか、
遠い出来事として、心から消え去っていって・・・。

それが、40代になり、修道士たちの聞き取り調査のため
エジプトに行き、砂漠を歩いていたある日、
不意に聞こえてきたのは、
紛れもなく母の声。

忘れたはずの母の存在。

でも、ずぅーっと、自分の心の中で母が生き続けたことを知り、
驚きます。

そして、

キリスト教への接近、彼の研究の核心には、
母の死があったことを自覚するのです。

彼は、定年間近に、その不思議な経験をエッセーにしました。
(『砂漠の修道院』88年日本エッセイスト・クラブ賞受賞)

書き始めたら、記憶が噴き出して、
母親と交わした言葉、
その時の情景の色や音、匂いまでもがよみがえってきて
涙が止まらなかったそうです。

懐かしい至福の時。

それは、封印していた耐え難い悲しみを
解放した瞬間だったわけです。

山形氏は、語ります。

「悲しみは、人間の成熟に大切な栄養剤です。
悲しみは、新しい生き方に変化する。」

セミナーにいらっしゃるみなさんが素敵なのも、
うなずけました。

みなさん、必死に悲しみから学ぼうとしているんですね。

みなさん、必死に悲しみを糧に成長しようとしているんですね。






『傾聴習慣』のススメ    ハッピーイヤー

多くの人は、自分の話を聞いてもらいたいのです。 だから、コミュニケーション最強ツールは「聞く技術」! 相手の話に耳を傾けることは、「相手を大切にするあり方」です。 それだけで、人間関係が変わります。 あなたに幸せをもたらします。 だけど、「聞く」ことは、「話す」ことより、数倍難しい。 だから、「聞く技術」は、学ぶ必要があります。 そして、学びを通して、心の深さ、神秘、愛を知ります。