『プルトニウム』(ジェレミー・ バーンシュタイン著、村岡 克紀訳、産業図書、2008年)を読んでいて、間違いをひとつ見つけた。
本文に、次のようにあった。
メンデレーエフ周期律表の第2版は1872年に刊行されましたが、これは現在のものに近くなっています。図1にそれを示していますが、これはメンデレーエフによってドイツ語で書かれた原版です。
図1が違っていた。これは1869年の周期表ではないだろうか。
『科学的発見のアナトミア―メンデレーエフの法則をめぐって』 (ケドロフ 著、大竹三郎訳、法政大学出版局/りぶらりあ選書、1973年) で確かめてみた。
261ページに載っていた。図20「化学ペーシェンスの経過を記録した完全な元素表の下書き」である。1869年に周期律を発見した時の思考の軌跡である。これの解読図が、339ページにある。このなかのメモをみると、それはドイツ語ではなく、ロシア語である。
『プルトニウム』 の著者、訳者、編集者に気づかれなかった1869年。