対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

対幻想

2007-01-14 | 吉本隆明

 弁証法は、対話をモデルとした思考方法で、対立物を統一する技術である。これがわたしが主張している弁証法の新しい考え方である。複合と名付けたが、吉本隆明のことばを借りて、対幻想といってもいいような気がしてきた。「ペアになっている幻想」。「論理的なもの」の対(ペア)。

 大文字の対幻想は、全幻想領域の構造を解明する軸の一つとして提起されたもので、家族や男女の問題をあつかう。

 小文字の対幻想は、「対」に二つの「論理的なもの」を対応させるもので、共時的な構造と通時的な構造から出現する「幻想」(fantasy) をあつかう。

 小文字の対幻想は、大文字の自己幻想として現われ、共同幻想に向かう。