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自動車部品の共有化/どうなる日本経済(145)

2011-07-15 06:15:31 | どうなる日本経済
今なぜ、自動車部品の共有化が必要なのか?

「日本自動車部品工業会」信元会長の意見


東日本大震災で部品の調達が滞り、大幅な減産に追い込まれた自動車業界だが、この震災を機に、日本の存在を賭けて、強い供給網の構築に向け、完成車メーカーが使う部品の材料、仕様の共通化に向けた議論が始まったと言われる。

日本自動車部品工業会の信元久隆会長(曙ブレーキ工業社長)が、どのようなメリットがあるのか述べたインタビュー記事が掲載された。

信元会長の言によると、「部品の共通化は不可欠だ。これまで部品会社は完成車メーカーから『こういう部品が必要だ』と言われれば、今までのモノとの違いも考えずに作ってきた。その結果、材質や仕様が異なる数多くの部品が混在している。だが本当に製品としての自動車を差別化するために不可欠な要素なのか。今までのプロセスを改めて見直したい」とのことだ。

その理由は、韓国の現代自動車が世界でシェアを高めていることに、部品メーカーが危機感を抱いている。それは、現代自と取引してきた韓国系の部品会社が日本の自動車メーカーとも取引を始め、力をつけてきた。現代自の車も数年前までは品質面に不安はあったが、今ではもう日本車と遜色ない水準だ。価格が安いだけではない。我々も車の作り方を考え直さなくてはならない時期にきている」ということらしい。

日本車メーカーからの発注は欧米企業とはやり方が違い、発注方法が、作り方や生産設備にまで注文がつける非常に特殊な方法であり、欧米メーカーは製品自体の品質だけで買ってもらえる。各メーカー毎に違った設備を持っている日本のやり方では、効率的な部品供給にも限界がある。ということだそうだ。

「今は日本車メーカーの世界シェアは高い。系列などではまだ1社だけと取引していればいい、と考える部品会社もある。だが今後、市場の成長の軸になるのは日本以外の地域であり、新興国のメーカーだ。

部品会社も日本基準を堅持しているだけでは将来、競争力を保てなくなる」

信元会長は「表面処理の違いだけで、値段が驚くほど違うボルトにどんな意味があるのか」と日本車のあり方に疑問を投げかける。メーカー本位でなく、消費者が求める車づくりを再考する好機だ。との意見にも一理ある。


今後、日本の部品メーカーは、本当に共有化をしていくのか注目される。


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