- 吾妻耶山から谷川岳 -
歩いた回数はさほど多くはありませんが、吾妻耶山も長い間歩いてきた山です。
最初に歩いたのが約四十年前で、その頃は大峰沼から吾妻耶山にかけて気持ちのいい落葉樹林が広がっていました。
それから約十年後に出かけた時、一部が伐採されて若い杉の木が植林された状態になっていました。まだ、杉も背丈が低く、日当たりのいい場所には結構花の姿がありました。
そして、さらに十数年後に出かけた時は、今度はスキー場ができて、気持ちのいい落葉樹林は殺風景な草の斜面になっていました。
山頂の様子や登山道にも変化がありました。
かつては木々のために山頂からの展望はなかったのですが、今は北から東にかけて木を伐採したためでしょうか、展望が開けています。
昔は山頂の西の細い岩尾根から谷川岳などを望むことができ、私にとってそこが山頂に代わる休憩場所でした。しかし、今は通行禁止になっています。
そして、大峰山の南にあるキレットには立派すぎる梯子が設置されましたが、以前はロープが一本下がっているだけだったと記憶しています。
また、大峰沼のすぐ南に駐車場ができたり、赤谷越の下を自動車道路が通ったりして、自動車を使えば簡単に歩けるようになりました。
当然、その分歩く人が多くなりました。
以前は、週末でも人に会うのはまれでしたが、今は結構な数の人が訪れています。
色々な意味合いで、山そのものの魅力は以前より大分落ちてしまった感じです。
四十年前最初に歩いた時と同じように、上越線の上牧駅から歩き始めます。
上牧駅もかつては急行の停車駅でしたが、今は無人駅になってしまいました。
小和知地区の先、畑の姿が無くなる場所から山道になります。
新緑の中を登って行きますが、昔に比べると道が少し荒れ気味です。
このコースを歩く人が少なくなった証ではないでしょうか。
分水不動の手前で古い林道を横切りますが、そこからは武尊山が望めます。
分水不動
昔と同じように水がとうとうと流れています。
伐採地の脇の荒れ気味の道を登り、再び新緑の中を進みます。
大峰山・吾妻耶山への道と合流して、少し緩やかに下ると大峰沼です。
大峰沼には帰りに再び寄りますので、水分を補給して吾妻耶山に向かいます。
新緑の中を進むと、薄暗い杉林の中の道となります。
植林された杉も今は大きくなってしまいました。
古い林道に出ると再び気持ちのいい新緑の道となりますが、直ぐにスキー場の草の斜面が現れます。
殺風景といえばまさにその通りですが、皮肉なことに展望は抜群です。
正面には吾妻耶山が姿を現します。
スキー場から谷川岳・朝日岳
スキー場から至仏山/武尊山方面の眺め
少しだけ落葉樹林の中を進み、スキー場の最上部をかすめると ・・・
吾妻耶山への最後の登りとなります。
到着した山頂にはたくさんの人が ・・・。
今回が今までで一番大勢の人がいました。
吾妻耶山山頂から谷川岳・朝日岳
吾妻耶山山頂から谷川岳連峰
(クリックで拡大)
落ち着かないので、写真を撮って退散です。
山頂には大きな石の祠が三基あるのですが、三角点は設置されていません。
三角点は山頂部の北西の端、登山道を外れた場所にあります。
ここには誰もいないので、今回はここで休息です。
三角点はあっても、眺めはあまりよくありません。
さて、ここからは大峰山を越えて、大峰沼まで戻ります。
途中の大峰山はこれといった特徴もなく、新緑だけが慰めです。
大峰沼に戻ってきました。
最近は南にある駐車場から、この大峰沼だけを目的で訪れる人も結構いるようです。
沼を一周する道がありますので、一回りします。
新緑の最盛期には若干来るのが遅かったようですが、まだ充分に綺麗でした。
後は、電車の時刻に合わせて上牧駅に戻るだけです。