- 顔振峠下からの眺め -
顔振峠付近には風影、そしてその少し南東には阿寺の集落が広がっています。
稜線近くのこれらの土地でのかつての難題はやはり水だと思います。
飲み水などは下の沢から汲み上げてこれるでしょうが、畑に撒く水はなかなかそうもいかないでしょう。
雨が頼りだとすれば、雨乞いが行われていたとしても不思議ではありません。
西武鉄道の吾野駅から歩き始めます。
舗装道路を離れ、林道と交錯しながら登って行きます。
ジグザグの道となってしばらく登ると、左手が開け ・・・
風影の集落とその先の奥武蔵の山々が姿を現します。
摩利支天塔 - 塔の前からも眺めが広いです。
顔振峠下からの眺め - 奥多摩・奥武蔵の山々 (クリックで拡大)
あと一息で顔振峠です。
現在、顔振峠には道路が上がってきています。
また、付近には茶屋が何軒かありますが、それには寄らずに雨乞塚を目指します。
その名が示すように、風影地域の人々がここで雨乞いを行っていたのでしょう。
雨乞塚は現在顔振峠展望台とも呼ばれますが、萱が邪魔をしていて眺めがいいとは言い難いです。
そのせいでしょうか、茶屋は賑わっていたのに、雨乞塚には誰もいませんでした。
片隅の祠
関八州見晴台方面
大高取山の先に関東平野
遠く微かに見えていた谷川連峰
雨乞塚から峠に戻り、越上山に向かいます。
少し道路を進んで左の山道に入り、それを辿ると直ぐに諏訪神社が現れます。
阿寺地区の鎮守社だと思いますが、境内も広く立派です。
さらに少し進むと越上山への分岐があり、ここから往復します。
手前に大きな岩がありますが、これを越えると山頂です。
木々の為に展望はありません。
越上(おがみ)山はもともとは「御神山」だったのではないでしょうか。
あるいは阿寺地区の人々がここで雨乞いを行った「拝み山」だったのかもしれません。
単なる個人的な想像ですが ・・・。
分岐まで戻り、エビガ坂・ユガテを目指します。
基本的に薄暗い植林の中の道が続きます。
ユガテには特に興味もなく、そのまま虎秀に下りて、東吾野駅に向かいます。
虎秀川
途中にある福徳寺の阿弥陀堂
鎌倉時代後期のものとされ、国の重要文化財の指定を受けています。
------------------------ おまけ ------------------------
登ってみると平凡な越上山ですが、少し離れた他の山から見ると意外と目立ちます。
このような山を憶えておくと、地図無しで山座同定をする場合に役にたちます。
弓立山から - 中央やや右の三角形の山
堂山の中腹から - 左奥の三角形の山
多峯主山から - 左:関八州見晴台、右:越上山