事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

40年ぶり(たぶん)

2018-06-06 15:30:18 | 本と雑誌
ロス・マクドナルド「動く標的
日曜日に数か月ぶりで近所の本屋へ行って、かなり売り場が様変わりしたな、男性作家と女性作家を分けんくなってのは感心とか思いつつ何を買うかと(行った以上金を払うのが礼儀とゆーもの)悩んだあげくにゲトしたのがこれ、リュウ・アーチャーの新訳とはうれしいではないか、と思ったらソニーがおいてた、マズった「八月の光」にすべきだった(こっちはおいてない)

絶対既読のハズなのに全くスジが読めない、アーチャー以外の登場人物全く思い出せない、アーチャーはまあこんな感じではあったけど、思ってたよりちょっと暴力的かも、正当防衛とは言え一人死なせてる、こいつはもちろん悪いヤツだけど本筋じゃなく目くらましな事件のそれも下っ端、ちょっと気の毒過ぎな扱いかも
またこんなに殴られてばかしいたかしらん・・・と言えばさうだったかもね、今の読者は思わず「大丈夫かよ?」と心配しちゃうだろうけど戦後すぐってこんなもんだったんじゃないかな、アタマの中の心配なんかしてもしゃーない、死ぬなら死ぬ、助かるなら助かる、主人公なんだから助かるに決まってる、いやこれ実感なんだよ

かなり早い時期に誘拐犯の一人が仲間割れと思われる事情で殺され、主犯格らしき男もあっさりアーチャーに見破られたがアーチャーを撃とうとして別の男に射殺され、被害者はどこにいるのかわからない、え、これからどうなるの?と思えばそっから意外な展開・・・なるほどやられたね、さすがロスマク、最初っから完成されたミステリ作家だったんだ、でも何で犯人の印象薄かったのかも何となくわかる、誘拐犯はいかにも怪しいヤツだし、殺人犯は主犯(最初から事件にかかわってたという意味での)じゃなかった、実際に途中までは怪しくなかったんだから疑いようがなかった

思えばずいぶん追っかけたのにほとんど忘れてる、犯人の記憶があってすら事件の内容ははるか彼方、40年は長いよな、これから新刊が出るとよいな