英語と子育て

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「子どもの頭は柔らかく、大人になると固くなる」ってほんと?

2011-01-04 | 言語獲得
大晦日の前日に家族でハリーポッターの映画を見に行きました。前作から時がたっていますので、ちょっとした登場人物の名前とか系図がつい頭の中で混乱したり忘れたりしています。

 それに比べ我が家の息子たち・・・長男はすべてのシリーズ本を4-5回読んでいるので当然といえば当然なんですが、次男はほとんど読んでいないにもかかわらず、「そこまで覚えているの!」と舌を巻くほど、場面の展開、情景、名前の一字一句までも正確に覚えています。この記憶の良さを学校の勉強でも発揮してくれたら嬉しいのだけど

 それはさておき、よく「子どもの頭って柔らかいね」とか「最近頭が固くなっちゃってマニュアルが読みづらい」なんて言葉を同世代で聞きます。この子どもと大人の脳の違いというのは何でしょうか?

 実は脳には「臨界期」と「可塑性」というふたつの大きな特徴があります。

 「臨界期」というのは英語ではクリティカル・ピリオド(critical period)と言い、生物学者のレネバーグが述べたのですが、ある「決定的」で「重要」な時期を指します。要するに、その時期を逃すと、発達しないよ、習得は難しいよ、という特別な時期です。人間の言語も12歳くらいまでが臨界期ではないかと推測されています。

 また「可塑性」というのは、物理的に言うと、「変形しやすい性質。外力を取り去ってもひずみが残り、変形する性質。塑性」(広辞苑)というもので、脳の場合、「脳の機能が環境の影響で変化し、その変化を一時的でなく、ずっとあとまで維持する性質」を指します。

 脳の臨界期のメカニズムはまだ研究中ですが、その時期がどうやら幼児期にあるらしいことが、いくつかの実験でわかってきました。だから子どもの頃に習得したことは、ある時期は離れていても、あとからやってみると案外できたりするわけです。そしてこの臨界期に神経回路や脳の機能が著しく発達するということです。そしてさらに「可塑性」は臨界期をピークとします。 (詳細は「頭のいい子ってなぜなの?」ヘンシュ高雄 著、海竜社、を参考にしてください)

 要するに、子どもの脳はあらゆる情報を吸収し情報マップを広げるわけですから、五感を刺激する情操教育が大切だということは言うまでもありません。「何が何でも早期教育」というのでは困ります。早ければいいってことはありません。適年齢に適切なことを学ばせましょう。またこの時期は音にも敏感ですから、楽器や言語のインプットに有効であると言えますね。

 その後、脳は16歳で成人と同じ大きさになり成熟します。大学受験時は脳のピークと言われており、おそらく一番学習能力が高い時期でしょう。それ以降機能は確かに低下しますが、刺激によって可塑性の維持は可能です。その刺激はある意味「学習」と言えるでしょう。

 大人になっても絶えず外界からの刺激を受けて、「学習」を続け、子どもに負けないくらい柔らかい脳を保っていきたいものです 

 私もまだまだ息子たちに負けてはいられません 

 

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