日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

本の売れ行きの傾向

2009年04月27日 | Weblog
本の売れ行きの傾向

今年のほんの売れ行きで上位をしめたのは、自己啓発と人生を考える事について書いた本の類である。これが人々の己自身のことや、生きていることの意味や、よりよく生きるにはどうぢたらよいのか、言うところに関心が向けられているのだとすれば、それは喜ばしいことである。
この世に生存を許されるのが、たかだか80年くらいならば、この短い人生を精一杯自分なりに生きて、満足してこの世を去っていくというのは生まれてきた意味を問う点からいっても、真面目な生き方だと僕は考えるからだ。
ところでこういうテーマは自分の身近にありながら、実は深遠な哲学につながっている。
生きると言うことはいのちにつながっており、それは対極には死ともつながっている。
つまり究極的には、生死の問題に関わっている。
そしてこの世でもっとも生死に関係のあるのは、宗教である。宗教は信をとおして、あるときは慰め、あるときは励まし勇気つけ、又あるときには、価値観に入り込んで勇気をバックアップしたり、自制を掛ける働きもする。
上手に活用すれば宗教は生きることにずいぶんと役に立つ。
 ただ現実場面で仏教が生活の足しになっているか、悩める人々に直接良いアドバイスを与え、救済に役立っているかと言えば必ずしも役立っているとは思えない。それは仏教が形骸化していると言うことと同時に仏教の知恵を使って、現代人の心の悩みを救済しようという具体的な取り組みもない。有るのは宗派、教派の宗祖の賛嘆とその教えへの直接的間接的な強制である。あるいは集団への囲い込みである。
 なにがしかの御利益はあるのだろうが、いわゆる根本的な救済にはなっていないから、人心は離れていっている。この点は宗教に心を寄せる者から見ると悔しいことである。現状を深く認識して心の悩みの救済という声に耳を傾けて、旧態依然の姿、有り様から出来るだけ早く脱皮してもらいたいものである。