日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

9-45無為の日

2009年04月25日 | Weblog
無為の日

することは山ほどあるのに気力が失せて、何もやる気がしない。しかたがないから、CDを聞くことにした。
クラシック系日本歌曲。一番好きなのは石川啄木の「初恋」これは以前立川澄人さんが歌っていた。男声の初恋も良いが女声の初恋も良い。

今日は日本歌曲を歌わせたら日本一。ソプラノの声楽家 上浪明子氏の歌を聴いた。伴奏の加納さんとの呼吸があっていて、神経質で口うるさいぼくも、歌の世界にひきづられてどっぷり浸かった。

歌の持つ叙情性もさることながら、越谷達之助氏の作曲のうまさ、それに輪を掛けた,
上浪さんの歌唱、伴奏の加納吾郎さんのうまさ。

これらを総合して、かって私は絶品に値すると書いた。これは私独りの思いではない。評論家の名前は忘れたが、芸術新潮には同じような批評が書かれていたのを読んだことがある。

CDの表面には日本の抒情歌 ソプラノ 上浪明子 伴奏加納吾郎。制作はビクターである。PRCD-5164と書いてあるから多分プライベート版だとおもう。

これには初恋を含めて18曲入っているが、いかんせん歌詞が古くさい。1世代前という感じがする。例えば斑猫。まだら毛をしたネコかと思ったら、辞書をひいてみると虫の一種とある。

あまりにも生々しい歌詞が飛び交う近頃のヤンキーソングとは同じ日本人ながら全く異次元の世界である。

話はそれたが次のCDが出るのを裏切って上浪さんは鬼籍の人となってしまった。ある日朝日新聞の訃報欄でこのことを知ってがっかりした。

彼女ほどの技量の持ち主はそうそう現れるものではない。残念の一言だ。