A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

忘年会のあとに

2006-12-16 23:39:27 | つれづれ
 昨日は会社の忘年会だった。
 仕事がら毎年の幹事は自分の担当だ。毎年日時を決めてお店を予約し会費の手配をして支払いをする。僕にすれば仕事の一環なので心の底から楽しむということはない。

 一次会が終わって三々五々社員たちが店の表に集まってくる。ここで本当は二次会の手配をしたり、カラオケなどを探したりするのが本来なのではないかと思うのだが、自分も適当にアルコールが入ってくると、どうも悪い癖がでてくる。孤独癖だ。
 誰にも煩わされずに一人になりたい。寂しくてもいい。ほろ酔いのまま街を歩きたい。自分一人だけが知らない街に紛れ込んでしまったかのように。

 ことさらに大きな声で挨拶をする。(間違いなく僕も酔っている)
 「みなさん、良いお年を。早いか!」
 「そういえばそんな年あったよな」同僚がツッコミを入れてくる。何年か前、本当に仕事納めの日に忘年会をやったことがあるのだが、そのときのことを言っているのだ。
 ……また孤独癖が頭をもたげてくる。止められない。
 「それではぁ、おやすみなさい! お先に失礼します!!」
 ひきとめる声がないことを確認して、駅の方向に歩き出す。ことさら振り返ることなしに。

 新橋の駅から山手線のガードに沿って有楽町に向かって歩く。ひとつ信号をわたりタクシー会社の駐車場のあたりから、山手線のガード下に潜り込む。昼はアーケード街があるのだろうが9時過ぎのガード下はひっそりとしている。一つため息をつき、薄暗い蛍光灯に照らされた人通り少ない通路を歩く。まるで僕一人が昭和の時代にタイムスリップしてきた孤独な未来人でもあるかのように。あるいは異邦人のように。

 やがて通路は終わりを告げ、有楽町の駅前の雑踏と人混みがよみがえってくる。駅横をすり抜け、東京国際フォーラムのガラス棟の脇を歩いて東京駅の改札口に向かう。
 地下4階相当のホームにおり、電車のシートに座るころ、僕はすっかり普通の会社員に戻っている。あと40分もすれば家族の待っている自宅につくだろう。

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