「逃避」と「沈静」

仕事中に急にものを書きたくなるときがある。

大概は「逃避」～仕事から逃げ出したくなっているときと、「沈静」～頭の中にやらなければならないことが絶えず生まれ、ゆっくり整理をしなければ先に進めないと思ってしまうときだ。

今の気分は「沈静」。
やらなければならないこと、つまりは仕掛かり中の仕事がPCと机の上の書類に置いてあるのだが、なぜか立ち上げた地図とブラウザに訳のわからないほどの想いが引き出されてしまった。

青い空。白い雲。風に揺れるススキの穂。傾きかけて透明で金色な光を投げかける太陽。その照り返しで金色に輝くアスファルト・ロード。
晩秋から初冬に向けての晴天の日、その中を駆け抜ける僕とオートバイ。
ああ、走りに行きたい……。



衝動をはき出して、一人ため息をつく。
金曜日の午後三時。週末まであと数時間の猶予。
僕の心だけが先に走り出してしまっている。