A Rider's Viewpoint

とあるライダーのものの見方

夜の夢 第六幕

2008-02-15 00:08:08 | たわごと
 空を飛ぶ夢を見た。
 場所はお台場。東京テレポート駅からフジテレビ社屋方面の遙か上方に向けて飛んでいる。

 空を飛ぶにはコツがいる。首を心持ち後ろに反らせて、首の後ろの生え際のあたりから肩胛骨の中央あたりを上に持ち上げるようなイメージを描く。視線は遙か上方を見据え、体の力を抜く。すると体は浮き上がり、糸に引っ張られるような感じで空を飛ぶのだ。

 力学的にいえば、体の重心そのものに力が作用するか、重心を中心に均等に力が作用しなければ、体自体が回転してしまう。しかし、僕が空を飛ぶときは、体に均等に浮遊力が働き、体の向きなどで動きが変わることはない。
 逆に行き先を決めるときは、まず視線を行きたい方向に向け頭と肩の線がそれに続いて向きを変えるように、進行方向のベクトルが変わって行く。特に大きな体のアクションはない。

 空の上。とある雲の上に街がある。その街にも高層ビルが建ち並び、さらにその上空に、また街があるのだ。世界は世界を内包し、その外側にも無限の世界が連鎖している。
 空にはこんな秘密が隠されているのだ。

 空の秘密を解き明かしながら、僕はより上空の街を目指し、とある建物に降り立つ。その街は雲の中に立っており、窓ガラスの外は灰色だ。エレベーターホールに到着するエレベーターは広く、果てしない階数のボタンが並んでいる。
 その場所で、僕は昔ながらの不良に絡まれる。『しまった。迂闊に空を飛べる能力を暴露してしまったか』
 どうやら奴らは僕が空を飛べることが面白くないらしい。僕はそのうちの一人に腕を捕まれる。逃げるためと見せしめのために、僕はそいつと階段の真ん中の空間に一緒に飛び降り、体を支えてやりながら、数十階の階数を飛び降りる。
 飛び降りた先で、その不良は姿を消し、僕はその、デパートの屋上のような場所から、雲の下の街に降り立つべく、また空へ飛び降りる。

 夢はいつの間にか空からエレベーターの中にかわり、夢の中だけでなじみのある会社の、エレベーターホールに僕は立っている。
 突然、館内放送が、マクドナルドのCMを流し出す。
「6時です」
 ……時報の後、聞き慣れたパーソナリティの声が流れ出し、僕はそれが目覚まし代わりのFMラジオであることに気づくのだ。

 やれやれ。朝だ。とりあえず起きて、新聞でも取りに行こうか。

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