路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

錆屋根の蜂の骸の腹逞し

2012年06月05日 | Weblog

 五月が終わって六月になって、しかし五月らしくない五月だったから、六月は六月らしくない六月がいいな。


  六月を奇麗な風の吹くことよ   子規


 ということでひとつ。

 きれいな風にも最近会ってないな。
 畑に行って吹かれた風はよかったけれど、特にきれいではなかったが。


                        


  眼がさめると少年は
  ろうたけた藤色に透けていた

  そんな物語りの始まりのような
  或る涼しい朝に

  風にしたためて

  いくつかの山や川を越えて
  村を越えて
  白い柵の向うで栗色の馬が
  悪戯な子に麦藁帽子を噛まされて
  大変迷惑千万な
  そんな風景をずんずん越えて

  せきれいのように越えて

  とある家の
  くるみ色に明るい窓をくぐって
  
  あのやさしく美しかった人へ

  こうして
  風にしたためて

               川崎洋「風にしたためて」


 くるみ色ってどんな色だ?
 あんまり明るい色でもない気がするが。

 くるみマンジュウというのをもらって、たちまち食ってしまった。


  

最新の画像もっと見る

コメントを投稿