路隘庵日剰

中年や暮れ方近くの後方凡走

小野菊は蕾擡げて雨となり

2012年10月23日 | Weblog


 朝晩は炬燵ほしいなあ。
 雨になって、ケッコウ寒い。
 急に寒い。


                       


小布施の、まちとしょテラソー一箱古本市は量的にはさほどではなかったけれど、質的に、というか好み的には収穫大であった。
 何の気なしに立っていたら足元にドンピシャのパスがきて、あとはそれをゴールに蹴り込むだけでした、みたいなカンジを其処彼処で味わった。

 「わめぞ」の蔵では、入り口のリンゴ箱から、朝永振一郎『わが師わが友』(昭和51年) 亀井俊介『ナショナリズムの文学 明治精神の探求』(昭和63年)どちらも講談社学術文庫、を拾った。
 亀井本はいつか読むかもしれないけれど、とりあえずツン読。朝永本は薄いので帰りの電車のなかで読んだけど、どうも以前読んだ記憶が、というわけで我が家のどっかに二冊くらいあるかもしれない。


                       


 あと、小谷野敦『現代文学論争』(2010)と中野晴行『謎の漫画家・酒井七馬 「新宝島」伝説の光と影』(2007) どちらも筑摩書房
 中野本は前から読みたかったから真っ先に抜いてきた。
 手塚治の「新宝島」今では伝説の一書の原作者、というか時に手塚の師匠とも呼ばれることのあった漫画家で、コーラで飢えを凌ぎ、電球で寒さを凌ぎながら餓死したと伝えられる人物の評伝。アニメ草創期に関わり、赤本で名をあげ、紙芝居に転じたりしながら、最後は緩慢な自殺といってよい終焉をむかえる。ただし餓死したわけではない。
 漫画家というのはケッコウ若くて脚光浴びたりするから、そのあとが大変だよなあ。

 ほんと、急に寒い。