五月が終わって六月になって、しかし五月らしくない五月だったから、六月は六月らしくない六月がいいな。
六月を奇麗な風の吹くことよ 子規
ということでひとつ。
きれいな風にも最近会ってないな。
畑に行って吹かれた風はよかったけれど、特にきれいではなかったが。
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眼がさめると少年は
ろうたけた藤色に透けていた
そんな物語りの始まりのような
或る涼しい朝に
風にしたためて
いくつかの山や川を越えて
村を越えて
白い柵の向うで栗色の馬が
悪戯な子に麦藁帽子を噛まされて
大変迷惑千万な
そんな風景をずんずん越えて
せきれいのように越えて
とある家の
くるみ色に明るい窓をくぐって
あのやさしく美しかった人へ
こうして
風にしたためて
川崎洋「風にしたためて」
くるみ色ってどんな色だ?
あんまり明るい色でもない気がするが。
くるみマンジュウというのをもらって、たちまち食ってしまった。