日の暮れる頃、畑で枯れたマリーゴールドを引き抜く。
枯れたマリーゴールドは小さな木のように地上に跋扈して異様である。それらを次々に引き抜いていく。平になった畑はもうすっかり冬である。そのうちに雪に覆われるであろう。
夜ツバメが庭で焚き火をはじめる。なんで今頃、ということになって、やがてそのまわりに家族が集まって、火を囲んでラーメン食べたり、バウムクーヘン焼いたりし始める。オー寒ッ。
おいおい消防車が来るぞ、みたいなこと言いながらワイワイやる。なんだろうね。煙いし。ほんと寒いし。
いつかまた思い出すことがあるかもしれぬ。こんなささやかなこと。庄野潤三でも読むか。
十二月はまだまだ長い。