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「人類再生戦線」 A・G・リドル

2017-01-10 22:36:18 | 読書
 
 
プロローグからいきなり7万年前、と、桁違いの時間のスケールで始まる。しかもその7万年前の時点で高度に発展した科学技術を有しているようだ。しかも1万年前にカプセルに入って休眠していたという描写。そして、その時13万年前に誕生した種族が絶滅の危機に瀕しているという場面なのだから、一体どれだけの歴史を行ったり来たりするのやら。
相変わらずテンポが速い。章立てになってい
る。半分たったところで早くも28章だ。一場面ごとに章が変わる。さながら、海外ドラマで言えば、CMに入るごとに章が変わる感じだ。だからテンポが速く感じるのかの知れない。
人類再生戦線は始めから走り回っている印象だ。ケイトとその叔父で育ての親である、マーティンの関係と前作で好感のあったデヴィッドと悪役のドリアンとの対決後が、交互に表される。ケイトの方は、今起きているのがどんな壮大な壮大な危機に直面しているのかということが表される。デヴィッドの方は、前作でドリアンと相討ちで死んでしまったのに、ガラスのチューブに入れられ復活するという非現実的な話が進む。ただゆにーくなのは、死んだ本人の主観で語られることだ。死んでしまったのに復活するというシチュエーションは多々あるが、死んだ本人がどう復活する様を感じるか?語るのはそうはない。
半分まで読みすすめ、デヴィッドは死んだままなのか?ドリアンは悪人だと思っていたが、文明の進んだアトランティス人からは買われている。アトランティス人も悪者なのだろうか。今後、宇宙人達との戦争が勃発しそうな流れだ。
下巻
マーティンが殺害され、仲間間で、誰かが犯人ではないかという疑心暗鬼から始まる。
マーティンの残した暗号のようなもの、これが、意外にもデヴィッドには簡単に解けるのだった。デヴィッドは歴史学の博士課程中退というこれまた意外な経歴の持ち主だった。まずPIEという単語の意味。これはインド・ヨーロッパ語族のことだ。インドとヨーロッパは共通の祖先を持つということなのだ。サンスクリット語もヨーロッパの言語や神話と共通点があるという。
p86
コンティニュイティという組織が研究していること。ある遺伝子が変化を起こしたとき、それがどのように発現するか予測できるという。これはおもしろい。
P142。76章あたりからケイトの脳裏に記憶がよみがえってくる。イマリの発祥についてだ。つまり、イマリを生み出したのがケイト自身ではないかということだ。
しかし、そこから話は急加速だ。ケイトが記憶を取り戻す過程でどんどん謎が解き明かされていく。謎解きをメインにした物語ではないということだ。
 
上巻
20161129読み始め
20161223読了
下巻
20170107読み始め
20170110読了