ビールを飲むぞ

酒の感想ばかり

「誰よりも狙われた男」 ジョン・ル・カレ

2020-01-18 19:26:40 | 読書

今週末はニーナ・ホスの出演する映画を3本(DVDで)みた。その1本だ。因みにニーナ・ホスは諜報員のスタッフの役なので、主人公ではないし、それをサポートする弁護士でもない。銀行家の役でウィレム・デフォーが出ていた。話自体が面白かったので原作を読むことにした。
諜報員のバッハマンがいけすかない奴だ。全く下らないジョークというか憎まれ口を叩きながら、偉そうだからか。そもそも鍵を握る銀行マンのブルーも今のところ、高慢でいけすかない。まともなキャラが少ない。これはル・カレの特徴か?
イッサはロシアから逃げてきた。父親がマフィアであるが、自分はただ医者になって人を救いたい一念。父親同士が友人関係であったブルーを頼ってドイツへやって来た。弁護を買って出たのが、アナベル・リヒターだ。アナベルは何とかイッサを助けようとブルーと駆け引きをする。ブルーは用心深くなかなかアナベルの交渉にも関わらずイッサが信用できない。
アナベルの家に隠れていたイッサだが、アナベルは医師である兄に頼んで、病院へ入院するよう紹介状を書かせた。理由は聞かないし、紹介された病院も私立の病院で、金次第でイッサをかくまってくれる。そこまで手配したアナベルだが、イッサは刑務所より病院の方が都合が悪いらしく、そこへ行くことを拒む。
9章にはいって(55.8%に達して)少し面白味が出てくる。アナベルが突然拉致されワゴンに乗せられ厩舎のような所に連れられる。案の定バッハマンの策略だ。有無を言わせずバッハマンの計画に従わせられる。そして病院へイッサをかくまう予定であったが、その計画はばれていたし、無効にされた。それはそれで怪しむイッサだった。同じ頃(午前4時頃)、ブルーはジョージーという女性に電話を掛ける。誰かと思えば、前の妻との間に生まれた娘だった。疎遠であった。この電話で娘が妊娠しいていることを知った。相手の男は物書きのようだ。思わず出産費用を贈ろうかと言う。しかし、その金はあると、断られる。何となくほのぼのした情景、これは映画にはない場面だ。ただ、本当に電話を掛けたかったのは娘のジョージーではなくアナベルだったというオチもある。
とは言え、やはり読んでいても頭に入ってこない。クセが強い文章だ。
バッハマンはイッサを捕まえたいわけでなく、イッサを利用してもっと大きな悪をつかまえたいのだ。イッサはカルポフの遺産を受け入れることができる。しかしイッサはそんなものは必要としていない。自分は人々のために役に立ちたい、つまり医者になりたいだけだ。なので遺産など不要で、むしろその遺産は慈善的に寄付しようとしている。バッハマンは、その寄付された遺産が、その先へテロリストの資金として流用されるのではないかと考える。
イッサは無欲であり、慈善団体に遺産をまるごと寄付しようとする。その相手はドイツにおけるイスラム思想家の人物だ。もしかしてその人物に寄付させようとアナベルを凋落してイッサとブルーを仕向けたのかもしれない。
しかし、これが全然読み進まない。全く面白くもないウダウダと皮肉めいた文章(なのか?)が続き、中身がない。作者の写真をみたら全くそんな風に見えないのだが。結構読んだなと思って進捗度を見たら大して進んでいない。
ブルーは代々続いた銀行はもう潮時と考え始める。イッサの親とブルーの親は信頼関係でつながっている。ブルーは(この小説では)皮肉屋で嫌な人物に描かれているが、どうしてか好感が持てる。一番まともな人物とも思える。しかし、周りの人物に翻弄されている。イッサは悪くない。父親の悪によって溜まった金は不浄のものとし、慈善団体に寄付することで清めようとしている。自分はその金は不要で、ただドイツで医者になりたいと考えているだけ。アナベルはイッサに対して、テロリスト扱いされ人権侵害されているのを弁護をしたいだけ。バッハマンはアナベルに気のあるブルーを利用としている。そして他の組織はイッサすらテロリストとみなして根こそぎテロリストを撲滅しようとしている。それぞれが噛み合わない。
クライマックスはブルーがイッサから預かった金を、イッサの指示によりドイツで最も信頼のあるイスラム思想家に寄付する場面。寄付相手のリストを一つ一つ確認しながら振り込んでいく。ずっと何の問題もなく、そして何の問題もない慈善団体に振り込んでいく。ある瞬間、突然聞いたことのない団体に振込先を変えるよう指示される。それは医薬品を届けるために働く団体であった。それこそまさに怪しい団体だ。
証拠をとらえたバッハマン(もちろんはじめからそう仕組んでいたのだろう)。だが、結局バッハマンは他組織に出し抜かれてしまう。
そんなドイツの諜報員のバッハマンやアメリカ、イギリスとの諜報合戦などどうでもよく、無欲なイッサが捉えられてしまうという結末にむなしさを覚える。

20190923読み始め
20200113読了


サントリープレミアムモルツ冬の限定醸造「醸造家の贈り物」

2020-01-12 17:09:25 | ビール

冬限定でマルナカで購入。ギフトのバラ売りか?

通常のプレモルに欧州産プレミアントホップを使用しているとのこと。柑橘系の優しい香りと柔らかなコク。

香りは確かにプレミアムモルツの香りだが、より高音の香りがする。

飲む。柑橘の香りそのままに、味も柑橘系だ。プレモル感は少なく別のビールともいえる。

柑橘系の味は飲み込むまで続くが、飲み込んだ後は全く別の味覚が訪れる。

後味はウェハース的芳ばしさとクリーミー感が感じられる。


若波純米吟醸山田錦

2020-01-02 15:14:50 | 日本酒

若波の純米吟醸山田錦は以前も飲んだことがある。しかし、生ではないものは初めてだ。

上部に「生酒」というシールがない。

山田錦らしい甘さ、フルーティーさがあるが、生酒でないからか、日本酒っぽさと思わせる味わい。

あと苦味が感じられる。これは若波に特徴的。

開封後時間がたった方が味に広がりが出る。

開封直後は日本酒っぽさが印象的だったが、日が経つとやっと、フルーティーさ、甘さ、酸味等が花開いてくる。