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酒の感想ばかり

「The Blue Notebooks」マックス・リヒター

2024-04-15 13:21:22 | 音楽

直訳すると青いノート。2004年リリースだ。青いノートと言えば、ポール・オースターの「オラクル・ナイト」を思い出す。文章を書けなくなった作家が青いノートを見つけ、そこに文章を書くことで、再起のきっかけとする。そんな話のまさに冒頭部分。

この小説が本国では2003年の発売。

それを知ってか知らずしてか、ほぼ同時期に青いノートというキーワードで小説と音楽が誕生しているのは驚きだ。

さて、音楽の方だが。

バイオリンをメインにピアノで奏でられる曲群。

ノスタルジックで美しい旋律。

マックス・リヒターは自らポストクラシカルと称しているだけに、クラシックが基本にあり、現代風のニュアンスを含む。

決して電子楽器を使用しているからではない。

少しずれれば安っぽいクロスオーバーに陥るところを、クラシック寄りに引き戻している。

構成的にはミニマルミュージックのような、例えばフィリップス・グラスのような、繰り返しが印象的ではある。しかしそこまで無機質ではなく、抒情性がある。

 

また、坂本龍一のアルバム「out of noise」(の、特に2曲目「hwit」)や「async」に通じる空気感がある。日本的な抒情性。

宇宙的でもある。

映画のサウンドトラックにピッタリかもしれない。というと、ちょっと安易かもしれないが。

マックス・リヒターといい、フィリップ・グラスといい、現代バレエの音楽に使われることが多い。

実は今日のNHKでバレエ特集で流れていたのが、マックス・リヒターの「four seasons」だ。そこで知り、調べてこの「The Blue Notebooks」にたどり着いた。

因みにフィリップ・グラスは海外ドラマ「Dr.HOUSE」シーズン5の23話「消えないアンバー」で、やはりバレエの伴奏で初めて知った。


「Bittersweet」 Mark Isham + Kate Ceberano

2015-09-05 00:43:09 | 音楽

マーク・アイシャムと聞いて、この2015年、何を連想するかというと、デヴィッド・シルヴィアンだ。デヴィッド・シルヴィアンのアルバムは常にトレースしてきた。その過程でマーク・アイシャムの名前が出てきたのは記憶にある。ジャズ系か、現代芸術系のように考えていた。ところが、突然なんの因果か、マーク・アイシャムの名前が浮上してきて、懐かしくなった。

ジャズというより、映画音楽が活動の場のようだ。

このケイト・セベラーノという女性ボーカルも、ジャズというよりはポップシンガーだメインのようだ。

だから、意外な組み合わせで、意外な音楽を作ったというわけだ。

ここのところジャズと言えばピアノで、ダイアナ・クラールばかりだったが、このトランペットというのもいい。

他にいいトランペットのジャズはないものか?

日本人ではTOKUがトランペットだが、バラードっぽくない。ちょっと哀愁を感じるのがいいのだが。