2015年の西条酒まつりで一番おいしく気になっていた酒だ。
一番おいしいといっても、無作為に18種類飲んだ中で一番ということなのだが。
調べてみると、酵母に関して、花から採取した酵母を使用している。
ひまわりやコスモスなど色々な花の酵母を使用している。なるほど、これはユニークだと、素晴らしいアイディアだ。
製造者は大学で発酵を研究していたとか、どこかで見たような気がするが定かでない。
しかし、そんな実験的な試みは好きだ。
それで気になっていて飲みたいと思っていた。通販で買うこともできたが、送料を出してまでと思い買わずにいた。
それが、イオンスタイル松山で1本売られていた。最後の1本だったのか?お試しの1本だったのか?運命の再会。
これを機に定番化してほしいと思う。
米は、ひとごごち。
酵母は月下美人の花酵母(東農大分離株)
吟醸香のような香り、結構強い香り。そのバックには米の香りがあり、うまく溶け合っている。
飲む。
全体的に、これはうまい。
蜜のようなとろみがあり、甘味があり、
飲み進めると、この花酵母の特徴だろうか、その花の風味が浮き立ってくる。
ベースには純米吟醸の酒がある。つまり、純米吟醸そのものの風味の特徴と、花酵母の香りの特徴をうまく融合させている。
なかなか斬新でいい。
花の香りはそこに住む酵母が作り出すものではない。
だから酵母が、発酵過程でその花の香りを造るわけではない。
しかし、そんな夢を抱かせる。それで十分楽しいではないか。
ダイヤモンド麦芽と、超希少なホップであるダイヤモンドホップを一部使用とのこと。
このダイヤモンドホップがどれだけ希少化というと、世界の生産量のわずか0.01%しかないということらしい。
香りはノーマルとあまり変わらない、少しフルーティーか?どうかというところ。
色はほぼ同じ。
飲むと、これまたそれほど味に違いはない。
しいて言えばダイアモンドという名前のイメージからくる、硬質な味。スクエアな味。
ノーマルがすっきりときれいな味に対して、ギザギザ感がある。
それは雑味が強いからと思われるが、キリンラガーや、エビスのようなものではなく、やはりクリアで透き通った雑味だ。
希少だからおいしいというわけではないが、希少感を感じて味わう。