「楼蘭」西域に楼蘭と呼ばれる小さい国があった。漢の武帝により張騫(ちょうけん)が大月氏に派遣された。その途中で見つかった。楼蘭はやがて都を移さねばならなくなった。その先が鄯善である。国民が皆鄯善に移る日、一人の姫が自刃した。その遺体は岡の上に埋葬された。鄯善人は当初、楼蘭こそは自分達が帰るべき国だと思い続けた。しかしふるさとの楼蘭は匈奴に占領され、鄯善自体が匈奴によって幾度の侵攻を受ける。時には漢と組み、匈奴と組み、平穏な時は訪れなかった。やがて平和が訪れ、楼蘭に向かった鄯善人だが、砂に埋もれてしまいそれが楼蘭なのかわからなくなっていた。目印は近くにあったロブ湖だが、それすら無くなっていた。それがなければ確証がない。そうして楼蘭は忘れ去られていった。歴史上存在が確認されたのは50年ほどしかないという。
玉川は京都北部の酒で、木下酒造有限会社の酒。
今回久美浜に旅行に行ったときに、酒蔵の直営で買ったものだ。
今から約10年前に仕事でこの辺りを担当していたことがあり、その時に一度訪問し、買ったこともある。
酒蔵に到着すると、「確かにここだ」と思い出した。当時は知らなかったが、杜氏は外国人らしい。
香りは、いかにもな日本酒の香り。そこにやや酸味のすっぱさが隠れている。
飲む。これまた意外だ。日本酒っぽさは全く無い。酸味がまずやってくる。一瞬ワインのように感じる。
そして、たとえが悪いがセメダイン的な風味、しかしそれは新鮮なブドウのようで、日本酒にはないブドウ感、それで変な例えになる。決して悪いものではない。
そして全体的にはジューシーな印象をもつ。
後味は高知の酒を飲んだ後のような感じ。ドライではないが、ドライが切れた後の残りの味。
ある意味クセのある味だが、熟成酒のクセではなく。今までに無い(味わったことのない)フレッシュなクセだ。
老香をフレッシュにするとこんな風味になるのだろうか?と邪推してしまう風味だ。決して悪い意味ではない。
全体的にウェッティだ。炭酸が抜けてみると、吟醸・フルーティーと捉えられる甘さがベースにあり、キレがある、というわけではない。単独で味わいたい。
20190326追記。
セメダインと形容したが、日本酒物語のサイトを見ていると同じ表現を見つけ、驚いた。
鯖と合うか?鯖の生姜煮と合わせてみた。合わなくはないが、合致はしない。セメダイン風味がそれを拒んでいるのかもしれない。
20190405追記。
だいぶん味が馴染んできた感じ。重厚・重層的で日本酒っぽさや古酒感ともとらえられる。セメダインのよう、と例えた風味はその重厚感に溶け込みある意味、それが重厚感重層感の元であったのではないかと思う。そのセメダイン感は開封直後のフレッシュな時にはセメダインと感じ、空気に触れ酸化すると熟成感とかわるのかもしれない。
20190406追記。
ここまで来ると、セメダイン感はなくなり、熟成味と言うのか、粘度のある甘い日本酒感が出始める。これがこの酒の本質かもしれない。自分は甘いより辛い方が好みだ。
鯛の刺身とは合う。
20190410追記。
ここでまた味の印象g変わる。古酒感と感じられていたものが、砂糖のような甘味と感じられるようになった。古酒感は全くなくなった。
やや甘ったるさを感じるが、涼しげな濃厚な甘さ。そして飲み口はセメダイン感の残骸が変化し超微炭酸に感じる舌触りと、口の奥で感じる刺激感。
味が良くなったと感じる。
広島の酒商山田で購入。
王禄は島根の酒だ。
こだわりは全品、無濾過、生酒(あるいは生詰)、瓶貯蔵、混ぜない、限定生産、徹底した冷蔵管理とのこと。
限定生産は、特約店を限定することにもつながり、広島では酒商山田くらいしかない。つまりあまり見かけることがないのだろう。
瓶貯蔵という点に関しては、認識違いかもしれないが、やや熟成酒寄りなのかとちょっと心配した。つまり大阪の雅一のような方向性か?つまり熟成香・熟成味を出していくのかと思ったわけだ。
並んでいた他の商品を見ると2018年(今は2019年3月)であったり、2017年、2016年といったものもあった。新酒がないのだろうか?
米の香りを感じ、日本酒っぽい香りだと嫌だなと予感したが、そんな感じはない。吟醸香はないが涼やかな米の香り。
微発泡で、精米歩合が80%と想像するほどの日本酒っぽさがなく、いい第一印象。
ジューシーな味で、瑞々しい味わいであり、濃さがある。後味には甘さすら感じる。
島根の酒なので、昔ながらの日本酒を想像していると、意外さに驚く。
石鎚純米吟醸系の愛媛の酒や、雨後の月や誠鏡あたりの広島の酒に近い味わい。
はっきり言ってあなどっていたが、うまい。
精米歩合80%でこれだから、吟醸となるとどんな味になるのだろうか?
鯖に合うという記事を見たことがあるが、そのせいか、今鯖の生姜煮を食べると合う。
鯖の味の濃さに負けない酒の濃さ。合わさってうまい。
20190405追記。
開封後11日たった。発泡感は若干残っている。そういう意味では生という本質が表れている。
そして甘いスクエアなすっきりした味わいがベースにある。
刺身類と合わせると、刺身の生臭さと酒の風味が合わさって山陰の風味を感じる。
山陰の風味とは自分の勝手な感覚だ。約22年前に社会人になって初めての赴任地を思い出す味だ。
20190410追記。
味が落ち着いてきたが、なかなかうまい。福岡の若波に近い柑橘を想起する甘さ、飲み口は酸味があり直後に甘味がかぶさってきて、高知の酒のような中から後半にかけてのドライ感。
ドライでいてパンチのある(例えられない)個性が表現されており。ドライなだけに、その何らかの個性が口の中に残る。もちろん悪くない。
上巻
1.5倍熟成とある。
熟成となるとうまそうだ。
香りは、熟成をイメージさせる、濃厚で甘い感じ。
飲み口はうまい。ビールのような、それもいいビール。しかし中盤以降は発泡酒らしさが現れる。
麦とホップの特徴かエグ味のようなものが出る。
後味は油性の余韻。
悪いように書いてしまったが、飲み方に工夫すればうまく飲めるかもしれない。
一気に口に含み、多少長めに口の中で味わい、鼻から息を抜きながら飲み込む。これがいい。