ビールを飲むぞ

酒の感想ばかり

トゥーランドット

2022-11-21 23:11:58 | ビジュアル

この週末はトゥーランドットを再認識。

配役を改めて見てみる。

買った当初は知らないキャストばかりで何の興味もなかった。しかし。

リウ役のバルバラ・フリットーリ。はじめはちょっと顎の肉付きのいい地味なオバサンなどと思っていた。今Googleで検索すると、かなり美形の歌い手だ。多分この衣装がよくないのだろう。

カラフ役のセルゲイ・ラーリン。はじめはずんぐりしてて、それでいて目は少女的な。これまた全くルックス的にさほど興味はなかった。だが、改めて「誰も寝てはならぬ」をじっくり聴いてみる。パヴァロッティの声を聴いた後だ。すると、なんといい声なのか。見直した。他に出演している作品はないかと調べていると、なんと2008年に急逝しているとのこと。どうりで活躍の情報がないわけだ。なんとも惜しい。

このオペラは合唱が多い。

いかにもファンタジーという雰囲気や構成。

 

2015年版ブレゲンツ音楽祭のもの。つまりボーデン湖畔での公演。この舞台がやはりいい。湖の上という自然の舞台のため、演者はヘッドセットをして歌う。そして屋外なので(湖の上というのもあるからか)風が若干強く、着物が時たまそよぐ。

トゥーランドットをのせた船が目隠しされて流れてくる。ペルシアの皇子処刑の場面。カラフは怒りを覚え顔を見せろという。船上から顔を見せるトゥーランドットに一目惚れ。トゥーランドットは一瞬だけ顔を見せ、カラフに背を向ける。つまる画面のこちらに顔を向ける。カラフにピントに合うのでトゥーランドットはピンボケというカメラワーク。


卒都婆小町

2019-01-28 20:59:48 | ビジュアル

能楽は興味があっていつかは待ってみたいと思い続けていた。

過去の人生の時々で、その形跡がある。しかしはまることもなく放置してきた。

ところがここ最近、様々な事象が重なってはまりそうな空気が出てきた。

能がみたい。NHKにあるかも。ネット検索していると丁度この休日に能楽が放映されるようだ。

NHKの2チャンネル、Eテレ(つまり教育テレビ)で日曜の最終週は毎回、古典芸能を放映しているらしい。

20190127 9:00-11:00

古典芸能への招待「人間国宝 友枝明世の至芸」

タイミングがいい。古典芸能と言っても、能楽だけでなく、歌舞伎、狂言、田楽、様々なものがるのに、丁度能楽がある。しかも二日後だ。月一回の番組に二日前に気づくとは、何かあるのではないかと思う。

久々に能に気づいたのは、ちょっと前にオペラ(フィガロの結婚)に行ったことが関係しているかもしれない。オペラも伝統芸能だ。年齢が伝統芸能を求めるのかもしれない。

何が演じられるかわからないまま、とりあえずEテレにチャンネルを合わせ9時を待つ。

全然詳しくないのでただ記述する。

今回は、人間国宝、友枝明世の「卒都婆小町」

字が知っている卒塔婆小町ではない。しかもそとばこまちではなくそとわごまちなどと発音する。それは流派による。

ゲストは馬場あき子で詳しそうな女性。副音声で村上湛の解説がつく。

誰の名前も知らない。しかしすべての人のことを覚えた。

解説を副音声で聞きながら見る。

面白かった。

最後に、友枝明世本人がスタジオに登場する。人間国宝らしからぬ気さくさに安心した。

この番組の直前に直感で買った林望の「能の読み方」を片手に番組に臨んだが、卒塔婆小町はその本にはなかった。

中上湛の解説はよかった。よくポイントがわかった。

この卒塔婆小町から、三島由紀夫の「近代能楽集」を知った。そして今日買ってしまった(20190128)。いままでその著作があるのは知っていたが、興味がなかったのでスルーしていた。

様々な偶然が重なって、今回は能楽にはまれたらいいなと思う。


「日の名残り」(映画)

2015-03-28 17:27:21 | ビジュアル

カズオイシグロの小説を映画化したものだ。小説を先に読むか迷ったが、映画の方を先に観た。

どんなストーリーなのか全く知らずに観た。ただあまりにも評判がよく、わたしを離さないでより感動するのか興味はあった。

なんの先入観もなく観た感想は、頑固な執事の生涯と過去のちょっとした恋愛、しかし職務に忠実すぎるゆえにそれすら排除してしまう、もしくは気付かない。それほどまでに忠実な男の話。取り立てて何というほどのものでもなかった。

どう見ても悪役のイメージしかない、アンソニー・ホプキンスが極めて真面目な執事というのが意外でもあったし、そこまで美人という程でもないエマ・トンプソンもある意味面白い。何かどこかで見た顔だと思って調べた、ダーリントン卿の甥のカーディナル役は、若き日のヒュー・グラントだったりルイスという反骨のアメリカ人はとても端正な顔をしているなと。

話は、執事の日常を中心に、各国の大物がダーリントンの屋敷に集まり政治談義をする様子が挟まれて進んでいく。本当に理解力に欠ける自分が情けなく思うが、政治談義より頑固執事の日常が話の中心だと思っていた。

見終わったあと特典映像を観て、恥ずかしながらやっとわかった。

ルイスを演じていた役者のインタビューの時、何か機械に繋がれているように見えた、表情も不自然だ。撮影の時から何年もたって年老いたのだろうと思っていた。演じてる役者がクリストファー・リーヴということで、調べて衝撃。まず目に入ったのが2004年に死没とある。出演作品がスーパーマンとあり、そこでもしやと思った。ずっと前に、スーパーマン役の俳優が落馬事故で体が不自由になった、というのを思い出した。そうか、クリストファー・リーヴはその俳優だったのか。亡くなっていたのも驚いたし、この映画の時はバリバリの絶頂期だったのだろう。そう考えて感慨深いものを覚えた。この映画の2年後に事故が起きるのかと。またこの映画自体が1993年の映画だ。今から22年も前だ。アンソニー・ホプキンスもずっと若かったし、エマ・トンプソンも映画で出てきたように30代。ヒュー・グラントも若いし、クリストファー・リーヴも数年後の苦難を受ける前だと思うと、それだけで感慨深い。

そして同じく特典映像で知ったのは、執事の日常を描くのが主題ではなく、あの無意味と思えた政治談義、それも描かれるべきものであったとは。

つmsりあの頑固な執事に代表されるように、イギリス人は善良で真面目で忠実だという。それがナチスを助長させ、うまく利用されたというのだ。国民性が戦争を引き起こしたということなのだ。

そんなストーリーと共に、演じた俳優のそれぞれの個性や人生が絡み合い、何とも深い映画だったと思う。また、観なければならない。

制作年と、その時の自分の年齢や知識などが関わってくるので万人が同様の感慨を持つとは考えられない。

結局は、映画をまた観たいと思うし、小説も読みたい。カズオ・イシグロの他の小説も読みたいと思うのであった。


「わたしを離さないで」

2013-03-09 21:04:15 | ビジュアル
わたしを離さないで [Blu-ray] わたしを離さないで [Blu-ray]
価格:¥ 2,500(税込)
発売日:2012-06-02

小説に続き、ブルーレイでも観てみた。

やはり小説同様抒情的な雰囲気。キャシー役のキャリー・マリガンが絶妙な配役だ。映画のポスターから既に切なくなる。また、トミーやルースの配役もいい。小説もイメージにほぼ近い。

内容はというと、これもほぼ小説通りの内容で風景などもイメージ通り。ただ時間の制約から、結構省略されたシーンがある。また小説では全部明かしてしまうことはなく、それが抒情的な感覚を抱かせていたわけだが、映画でははっきりとセリフに出てくる。要はかなりストレートな展開と言うこと。

また、小説より恋愛のストーリーであると言う感じが強い。

マダムの家から帰る道でのシーンからラストにかけてはやはり泣けてくる。

映画と小説。どちらを先にみるかで印象が変わってくるだろうが、わたしの場合は小説の方が僅差で好きかもしれない。ただどちらも何度でも見たり読んだりしたくなる作品には違いない。

映画も小説も見た後は、かなり打ちのめされて、何をする元気もなくなってしまう。もちろん褒めているのだが。

残念だったところは、

キャシー役は、表情や佇まいはとても素晴らしかったが、一点、歩き方が気になった。姿勢が良すぎてどうも気高い印象が出て、イメージに合わなかった。
ルーシー先生がはっきりと臓器提供と口にしたところ。
「使命を終える」が「終了」と表現されていたところ。
マダムの家であっさりと宣告されたところ。
マダムがかなりいい人に表現されていたところ。
もう少し、ポスターのようにブルーがかった映像ならなお良かった。


Dr.HOUSEの名シーン

2012-04-06 23:01:20 | ビジュアル

Dr.HOUSEが面白くてみているのですが、

可笑しくて思わず「あほやー」と口に出たシーンがあります。

シーズン1の3話で

朝の外来の診察があまりに嫌で、診察を待つ、20人ほどの患者のいる待合室に出てきたハウス先生がこう言い放つ。

「病人の皆さん。ご家族の皆さん。あとでつまらんおしゃべりをはぶくために言っておくが、俺はグレゴリー・ハウス。グレッグと呼んでくれ。今朝ここの外来を担当する医師の一人だ。

俺は正式な資格を持った診断医で、専門は感染病と腎臓病。

だがこの外来で嫌々働かされているのは俺一人だけなんだ。

だが大丈夫、鎮痛剤さえあればサルでもあんた等を治療することは出来る。

それで思い出したが、嫌な患者を診るとき、いつもこれに手が伸びる」

と、ポケットから薬の瓶を取り出す。

「バイコディン。俺のだ。誰にもやらん。自分の痛みに対しては常に正しく対処しているつもりだ。

いや待てよ、そうは言い切れん。ラリってわからないだけかも。」

と不安を煽りつつ、

「で、誰が最初だ?」

みな唖然としている。

「じゃあ、他の先生に見てもらいたい人」

全員手を挙げる。

「もし気が変わったら第一診察室へ」

と去っていく。

こんな医者には診て欲しくないが、ドラマとしては痛快なシーンでした。