モノ・語り

現代のクラフトの作り手と作品を主役とするライフストーリーを綴ります。

第1回「かたち塾」ーー江戸切子の作家 小川郁子さんへのインタビュー

2015年01月04日 | 江戸切子 小川郁子

小川郁子さんの作品から


「かたち塾」の第1回目を1月25日(日)に、江東区森下文化センター第2会議室で開きます。
江戸切子の若手作家小川郁子さんの創作世界に迫るインタビューがメインです。
詳細は当塾のHPでご覧ください。
受講のお申込もHPからできます。


小川さんは若手ながら人気の高い作家で、HPでは次のように紹介させてもらってます。

「小川さんが創作する江戸切子は、わざ、デザインともに従来の江戸切子のイメージを超えるものがあり、その思い切りの良さと現代性が人気の要因になっているようです。」

とはいえ私が感じるところでは、小川作品の魅力はわざの高さとかデザインの素晴らしさというふうに分析的に捉えられているというよりは、直感的、感覚的に観る人のハートを掴んでいく力に由来しているように思います。
そしてそれこそが小川さんの創作の抜きん出ているところなのですが、この「力」がどういうものであるかを引き出してみたいというのがインタビュアーとしての野心の在りどころです
そのアプローチの手順として、わざやデザイン感覚を手がかりにしていこうと思っているわけです。

唐突な言い方をしますが、小川さんのデザイン感覚には、桃山時代のやきものを創造した古田織部の感覚に近いものがあるように私は感じています。
織部的な造形の特徴を「ひょうげもの」などと言って、現代でもそれらしいものを作ろうとする人はあとを断ちませんが、織部の造形精神を体現している創作者は現代に見出すことはできません。
小川さんも、メチエ(素材と技法)がガラスのカット成形ということもあって、見た目は織部的造形性とは全く無縁のように見えます。
どちらかというと非常に緻密で、カッチリとした技法で制作を進めているので、「ひょうげ」ということとは正反対の方向のように見えます。
しかし「ひょうげ」の本質は、歪んでいるとかいびつであるということではありません。
ある種の「ズレ」の感覚であり、その感覚を掘り下げていって意識を幻惑していく世界を創り出していくことです。
そのあたりにアプローチしていければ、インタビューとしてはこの上ない成果となるのではと考えています。

終了後は、聴講者も交えての質疑応答の時間を持ちますので、さらに話を深め、広げていければと思っています。
聴講はどなたでも可ですので、HPよりお申し込みください。定員がありますので、お早めに。
作品の展示コーナーも設けます。




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