突然ですが、「かたちの会」には〈実践知塾〉というのがあって、
必要に応じて実践知を身につける講座を開設しています。
「実践知」というのは頭の中だけの知識ではなくて、
身体運動と脳の活動が連携して得られる知識・知性を意味していますが、
工芸や美術の制作などはまさにその典型であると言えます。
この4月からは新しく「楽譜を読んで、歌をうたう――ドレミから始めよう」
という講座を開きます。主旨は
「楽譜が読めたら…、と思っている方を対象に、歌いながら読譜を身につける講座です。
身体を脱力させて歌う発声法も学びます。
かんたんな楽典もカバーしますので、講座の終了時にはみんなで楽しくハモりましょう。」
というものです。
講師は名倉亜矢子さんという古楽方面で活躍されているソプラノ歌手の方ですが、
名倉さんについては当ブログでも紹介しています。
(「音のかたち」 「気をめぐる話」参照)
近代オペラなどでよく聴く歌唱法とはちょっとちがって、
心身を脱力して発声する歌い方で、やすらぎ感やくつろぎ感をもたらしてくれます。
歌ってるとだんだんと気持ちがよくなってきます。
講座のタイトルからすると初心者向けの講座のように思われるかもしれません。
実際、初心者の方のご参加を歓迎することは確かですが、
いわゆる基礎の中に文化の本質が凝縮されているという意味で、
歌唱あるいは音楽の本質にアプローチすることを希望している人向けの講座でもあります。
実は昨年の秋にテストケースとして7回ほどレッスンを受けました。
ト音記号とか音符とかの知識から始まって、基礎の基礎から学んでいくのですが、
2度から5度までの音程ごとの発声の練習などは、
和声の本質というところに一挙に触れるようなところがあって、
「人間にとって音楽とは何か」ということを会得させられたような気分とともに、
最後には参加されたみなさんと気持ちよくハモって終了することができました。
4月からの講座は9月まで、10回あります。どなたでも受講できます。
詳細は下記サイトをご覧ください。(受講申し込みもこちらからできます。)
http://homepage2.nifty.com/katachi/jissenchi/doremi.html
開講日は平日の午後なので、第二の人生の愉しみを求めている人にオススメです。