たまごのなかみ

千葉県北西部在住。映画・観劇、近隣のこと。毎日 元気に機嫌良く♪

渋谷で はじめまして

2010年06月16日 22時48分30秒 | 観る
コクーン歌舞伎 第十一弾『佐倉義民傳』 に行って来ました。

実は、先週の内に【今日もいたち日記】のけいままさんと 同じ日程であることが分かり ダブルのお楽しみでワクワク シアターコクーンへ向かいました。が、なにしろ こちらからは お顔をはっきりとは存じ上げないので、見付けてくださるといいけれど...なんて思いつつ 開演前には対面ならず、そして 幕間(まくあい)...

決め手は 殿でした☆ お手洗いから戻ってきた殿が「今 けいままさんらしき人を見掛けたョ」と言ったその直後、やはり殿の顔のピンと来たけいままさんが殿を追う様に私たちの座席の方へ来てくれて めでたく対面  特徴ある顔立ちが役立ちました 伺いたいことも色々あったのに、「初めまして。アワワヮヮ...」みたいな? 挙動不審すれすれだったんじゃなかろうか ワタシ。でも、けいままさんとは 観劇傾向が似てるし、きっとまた お目に掛かれるんじゃないかと楽しみにしております。


さて、『佐倉義民傳』...
写真は、なんだか『ジーザス・クライスト・スーパースター』みたいですが、そいえば今回の 串田版オリジナルの登場人物 駿河弥五衛門(中村橋之助)は ユダのような役回りと言えなくもありません。佐倉宗吾の対極であると同時に宗吾の分身ともとれる存在で 舞台上と客席の橋渡しでもある駿河は、宗吾が善良すぎるだけに 物語の良いスパイスになっています。お文が死んじゃうのは 可哀想だけどなぁ...

ところで、 “歌舞伎初のラップ”と あちらこちらで取り上げられていましたが、これまでに コクーン歌舞伎だけでも 実に様々な演出を観てきましたし、歌舞伎座でだって 野田秀樹だの宮藤官九郎だのと あれやこれや ねぇ。今更、演出の新しさに目を剥くってな事より むしろ 普通に芝居を観てる感覚だし(生では観てないけど シェイクスピアの『十二夜』まで歌舞伎になりましたしね)、ラップを先導する二人がヘッドセットを付けて歌おうが 下座とバンドがセッションしようが、それほど驚きゃしないのだけど、そんな些末な事じゃなく(...いや もちろん そのひとつひとつが素敵なんだけど)、実にエネルギッシュな いいステージでありました。ベタで申し訳ないけれど、子別れの場は 泣ける泣ける 別れも悲しいし、物わかりのいい彦七に泣かされる! 洟すすりまくりです。宗吾があまりにいい人過ぎて、勘三郎がちょっとストレスじゃなかろうか...というのは 殿の弁ですが、ほれ その分 三階席まで駆け上がるし 駆け下りるし

それにしても、いつの世も お上と民衆の関係は 似たり寄ったりなのか、民意は蔑ろにされるのが常なのか...。ラップで、沖縄の基地問題に触れる辺り 小劇場出身の串田らしくて にんまり。そもそも、思いも掛けず大ヒットだったという嘉永4年の初演時の理念にも通ずるでしょ これ。因みに、初演の嘉永4年というのは ペリー来航の2年前。『東山桜荘子』との外題で 中村座の上演とのことです。

今回の舞台では 歌舞伎役者以外の若い役者が沢山舞台に上がっていて、皆 演じることが楽しそうで これがとてもいい。そもそも、コクーン歌舞伎だと 普段は科白の殆どない大部屋の役者さん達も 色々しゃべらせて貰えて、その生き生きした調子が こちらにも伝わってくるのよね。この日、どうやらバスツアーのお客が入っていた様で、終演後「歌舞伎らしくなかったわね」なんて声が聞こえてきました。えっ? こんなに傾いてる(かぶいてる)のにぃ~ 歌舞伎座がお休み中の代替プランなのかも知れないけれど、立ち見席を求める列のある中 本当に観たい人がチケット買えなくなっちゃうじゃないのサ! と 思う哉 思わざる哉。


そうそう、ラップではないけれど、役者が唱和して見せた『大江戸りびんぐでっど』が この秋 シネマ歌舞伎 で 公開だそうです。

幕間のロビーで、コ○ノ三姉妹の真ん中 ジュンコさんをお見掛けしました
コメント (12)
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