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京大ポポロ事件と報道

2014年11月05日 | 時事
京大の構内に警察官、学生とトラブル 大学「誠に遺憾」
何か京大は昭和を生きているなあ・・・

ポポロ事件とは、かつて東大で起きた、ある観劇会に私服警官が潜入したとして学生らが警官を取り押さえ、その際に暴力を振るったとして最高裁にまでもつれこんだ事件です。「大学の自治」が問われた有名な判例として、政経の資料集に載っていました。ちなみに判決は「サークル活動は大学の自治に含まない」として逆転有罪が出ています。今回の京大の件は、まだ詳しいことはよく分かりませんけど、テレビで「マルクス」と書かれたチラシを意味ありげに映していたことから、共産系サークルのビラ配りをしていて、それを私服の公安警察が構内で監視していたものと思われます。ますますポポロ事件ですね。
こういうサークルに入っている人が高校で選択必修の政経を取っていないとは考えにくいので、彼らの脳みそならポポロ事件も当然知っていて、拘束することが違法であることも理解していそうなものですが・・・つーかかつてそういう事件があったとしても、むしろこのご時世に学生ごときのサークル活動を公安がマークする必要性がよく分かりません。さらにいえば、私服なのにばれる公安というのも意味不明ですね。お互いマークしあっているということでしょうか?考えれば考えるほど、報道での扱われ方以上のきな臭さを感じますな。ポポロ事件はもう60年も前のことであり、学生運動という風を知らない自分達30代ですら、そうした学生vs警察権力と言う図式は前世に等しい記憶です。今の学生にとっては尚更でしょう。いや、知らないからこそ過激になれるという所でしょうかね?学生サークルの中には、偏った政治思想やカルト宗教など、全国的なネットワークを持つ怪しいものも潜んでいます。監視対象になっていると言うことは、被害が学内に留まらず、もしかしたら巷で行われているデモ活動やヘイトスピーチなどに参加する人員の供給源として、各大学のこういった学生サークルが動員されているということなのかもしれません。

ちなみに、この記事の引用元は朝日新聞デジタルなのですけど、今日の朝刊にはこの記事は一切載っていませんでした。事件発生は昨日の正午らしいですし、中村氏と日亜化学のどうでもいい問答を面白おかしく取り上げるくらいですから、間に合わなかったわけでも紙面が足りなかったわけでもないでしょう。この影響で警官100人が京大に押し寄せたと言うそれなりの大騒動ですから、いくら左翼系新聞だと言っても、一面トップでないにしろどこかに載せるべきだったのではないでしょうか。定期的に反省しているふりをする一方で被害者ぶったりW吉田のせいなのね~そうなのね?なんて誤魔化したりしつつ、臆面もなくこういう恣意的な取捨選択をしているから信用を失っているということに、いい加減目覚めるべきですな。
たとえ読売新聞でも、巨人が負けた記事を載せないわけにはいきませんよね(笑)それが通るなら、それこそ負けた事実は知らせずに勝った事に捏造して大本営発表を報道しまくっていた戦争中と変わらなくなってしまいます。今の世の中は、朝日が載せなくても産経が報じればニュース検索で閲覧できますから、都合の悪いことを隠し通せる世の中ではありません。我々読者が知りたいのは、そうした色眼鏡を通していない、世の中に起こったことのありのままのニュースなのです。もちろん、視点が変われば善悪さえ変わってしまう事件もたくさんあるでしょう。今回の事件も、学生側にしてみれば「大学の自治(学問の自由)や表現の自由、集会結社の自由に対する国家権力の介入」という見方もできますし、警察側にしてみれば「極左過激派の監視中に起きた不当な拘束事件」だったのかもしれません。そういう議論はあって当然ですが、新聞に求めるものは社の方針に則った一方的な見方の押しつけでも、ましてや言論封殺でもなく、読者に事実を伝え、同時に判断する材料を与えることだと思うのです。いくら社の立場に都合の悪い事件が起こったとしても、起きた事実は事実としてしっかり記事にして、双方の主張を載せ、読者の投書も賛否両論を必ず載せるぐらいのことは当たり前にして欲しいものです。それでこそ読者に「再生した」と思ってもらえるのではないでしょうか。

この前は珍しく「靖国参拝は問題」と「他国は干渉するな」の両投書が上下に並んで載っていましたから、少しは改善されてきたのかもしれませんけど、今回の件を見るにテニスの王子様からは「You still have lots more to work on…(まだまだだね)」と言われてしまうでしょう。