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2012年11月18日 | Weblog
というわけで、「ヱヴァンゲリヲン劇場版Q」を観てきました(ネタバレ有り)

「破」から実に3年。しかも、当初の予定では「急+完」のような3部作で終わるはずだったのが、どうやら今回では終わっていない模様です。ちなみに序破急とは歌舞伎用語ですが、こうなるとむしろ「起承転結」の方が良かったかもしれませんね。ともあれ、これはもう「完結」作はエヴァのメイン舞台である2015年、というのが冗談でなく、本当になってしまいそうな勢いです。

今回、かなり情報規制が厳しく敷かれており、予告編ですら断片どころかわけのわからないピアノの映像しかなく、どんなストーリーになっているのか全く前情報なしの状態で臨みました。破の時は、新キャラが出ることくらいの情報はあったのですがね・・・そこまで厳重に守られていた意味は、まあ観れば分かりますが。
まず上映前のジブリ作品の予告?に、もう本編が始まったかのような錯覚を得ました。ジブリのくせに実写映像で、しかもそれでいてナウシカの世界観につながりそうな衝撃作品でした。元々巨神兵は庵野の作画なわけですし、究極のコラボか?と邪推していましたが、あとで調べると某所で公開した「巨神兵、東京に現る」という短編映画だった模様です。道理で予告にしては上映予告がなかったわけだ・・・確かにCMにしては長かったですしね。(以降、激しくネタバレ有り)

そんなわけで本編が始まりました。先日テレビ版で流れた本編のOPが流れ、アスカの健在ぶりと、シンジが人の形を保っていたことが分かりました。テレビ版では生命のスープと化してしまっていたわけですが・・・しかし、どうやらQの舞台は前作から14年後の世界らしく、前作のラストでサードインパクトに近い事が起こり、人類がほぼ全滅した世界の中で、次のフォースインパクトを起こそうとする「ネルフ」(ゼーレ側)と、それを阻止するミサト達の組織「ヴィレ」(リリン側)が対立しているという構図に変わっていました。碇ゲンドウ・冬月・ミサト・リツコといった主要キャラは年相応の風貌をしているのに対し、アスカが眼帯をつけているとは言え何故容姿が変わっていなかったのかという理由として、「EVAの呪縛」という表現が使われていました。ジオフロントからは空が見え、ニアサードインパクトの影響で周辺は崩壊したまま何の変化もなく、せっかく助けたレイももう何人目か分からないという現実にショックを受ける中で、「世界を戻すことができる」とカオルに唆され、ターミナルドグマだっただろう場所にエヴァ13号機に乗り込み向かうのですが、そこで待っていたのはフォースインパクトだったという内容でした。確かに急展開で、もうテレビ版をなぞることもほとんどなく、完全新作と言える内容でしたね。

テレビ版のエヴァの映画は1997年夏公開で、当時高3だった自分は春までに10回も映画館に通って観に行くほど熱狂していました。あれから15年ということで、こうしてまだ続きが気になっているところは変わりませんが、流石にあの時と同じようにのめり込むことはもうないでしょう。年を取らないエヴァパイロットと、14年が経過したクルーという表現は、そうした時代のギャップと、未だにエヴァに熱狂している同世代たちに向けられた一種の示唆なのではないかと思います。また、主人公が絶望している時に優しく声をかけ、フォースインパクトの発動を促してしまったカオルの役割は、当時で言えば宗教への勧誘であり、現代で言えば振り込め詐欺に通じるものがあると思いました。さらに言えば、14年経っても変化のない街という表現は、福島第一原発の事故を暗示しているかのようですね。なぜこうなってしまったのか、どうすればいいのか・・・シンジの悩みは、今や日本国民全員の悩みでもあるわけです。

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の公開も、まさか14年後なんてことはない・・・よね?